专利摘要:
薬物およびその他の生物活性物質を例とする放出物質(release materials)を送達するための系および方法。CYCキャリアと称される結晶性ポリマー系が、化学的結合または物理的会合を介して放出物質と会合している。CYCキャリアの結晶性は、長鎖n‐アルキル部分を例とする結晶性側鎖の存在に起因しており、それによって、比較的低く狭い溶融温度がもたらされる。CYSCポリマーと称される1つのクラスのCYCキャリアでは、結晶性側鎖の大部分がポリマー主鎖からペンダント状にぶらさがった形となっている。ECCポリマーと称される別のクラスのCYCキャリアでは、結晶性側鎖の大部分がポリマー主鎖の末端ユニットに結合した形となっている。ECCポリマーは、例えば、PLGAポリマーの修飾によって得ることができる。非ポリマー性である別のクラスのCYCキャリア。CYC集合体(CYC assemblies)と称されるいくつかのCYCキャリアは、結晶性部分を持つポリマーと結晶性部分を持つモノマーとの間を例とする、異なる種類の分子中に存在する結晶性部分間の物理的会合の結果としてより高い結晶性を有する。いくつかの用途において、特に薬物の送達では、生崩壊性(bioerodable)CYCキャリアを用いることが好ましい。a
公开号:JP2011505420A
申请号:JP2010536926
申请日:2008-12-03
公开日:2011-02-24
发明作者:オッテンズマン,サンドラ,エヌ;ダイ,ウェイグォ;タフト,デイビッド,ディー.;チョン,チアン;ツァニス,ステリオス,ティー.;バラチャンダー,ナタラジャン;ビトラー,スティーブン,ピー.;ベル,アダム,ダブリュ
申请人:ランデック コーポレイション;
IPC主号:A61K47-32
专利说明:

[0001] [関連出願への相互参照]
本出願は、2006年12月5日出願の米国仮特許出願第60/873,234号(Docket 001 PRV)の優先権および利益を主張する2007年12月4日出願の米国特許出願第11/999,415号(Docket 001 US)の一部継続出願であり、その優先権を主張するものである。本出願はさらに、以下の優先権および利益を主張するものである。
(1)米国仮特許出願第61/005,400号、2007年12月4日出願(Docket 003 PRV)、
(2)米国仮特許出願第61/131,123号、2008年6月4日出願(Docket 004 PRV)、および
(3)米国仮特許出願第61/131,716号、2008年6月10日出願(Docket 004B PRV)。]
[0002] 本出願はさらに、以下に関連するものである。
(1)(i)2006年12月5日出願の米国仮特許出願第60/873,234号の優先権を主張して2007年12月4日に出願され、(ii)2008年6月12日に国際公開第2008/070118号として公開された、国際特許出願PCT/US2007/024909(Docket 002 PCT)、
(2)(i)2006年12月5日出願の米国仮特許出願第60/873,234号の優先権を主張して2007年12月4日に出願され、(ii)2008年6月12日に国際公開第2008/070165号として公開された、国際特許出願PCT/US2007/025032(Docket 002 PCT)、
(3)米国特許出願第11/999,415号の継続出願であり、2007年12月4日に出願された米国仮特許出願第61/005,400号(Docket 003 PRV)、2008年6月4日に出願された第61/131,123号(Docket 004 PRV)、および2008年6月10日に出願された第61/131,716号(Docket 004B PRV)の優先権を主張する、2008年9月25日出願の米国特許出願第12/284,755号(Docket 005 US)、ならびに
(4)2007年12月4日に出願された米国仮特許出願第61/005,400号(Docket 003 PRV)、2008年6月4日に出願された第61/131,123号(Docket 004 PRV)、および2008年6月10日に出願された第61/131,716号(Docket 004B PRV)の優先権を主張する、2008年10月10日出願の米国特許出願第12/287,520号(Docket 006 US)。]
[0003] これらの国際特許出願は、薬物送達のための特定のポリマー(そこでは、結晶性側鎖ポリマーまたはCYSCポリマーと称される)の使用を開示している。上記で示されたこれらの出願および公開の各々の開示内容全体は、あらゆる点において参照することで本明細書に組み入れられる。]
[0004] 本明細書は、本明細書にて参照されるすべての文書、及び本明細書と共に出願されたか又は本明細書と関連して過去に出願されたすべての文書を参照することで組み入れるものであり、これらに限定されないが、本明細書と共に公衆閲覧が可能である文書を含む。]
[0005] [技術分野]
本発明は、生物活性物質およびその他の物質の送達のための、ならびにその他の目的のための系に関する。]
背景技術

[0006] 薬物およびその他の物質の送達のためのポリマー系として多くのものが公知である。継続する課題は、所望される場所および所望される時間にて、所望されるローディング(loading)および送達プロファイルを得ることである。]
[0007] 本発明は、生物活性物質および/またはその他の物質の送達に有用である新規な組成物および方法を提供する。送達は、送達すべき物質を、(i)結晶性部分を含む繰り返しユニットおよび/もしくは結晶性部分を含む末端ユニットを有する特定のポリマー(本明細書にてCYCポリマーと称するポリマー)、ならびに/または(ii)結晶性部分を含む特定の非ポリマー化合物(本明細書にてCYC化合物と称する化合物)、ならびに/または(iii)結晶性部分を含む特定の「自己集合体(self−assemblies)」(本明細書にてCYC集合体と称する集合体)、と会合させることによって達成される。CYCポリマー、CYC化合物、およびCYC集合体は、本明細書にて、まとめて「CYCキャリア」と称する。]
[0008] 本発明は、さらに、新規なCYCポリマーおよびCYC集合体も提供する。新規なCYCポリマーとしては、これらに限定されないが、(i)本明細書にてSSPポリマーと称するCYCポリマーのサブクラス、および(ii)その他のCYCポリマーが挙げられる。これらの新規なポリマーは、生物活性物質および/またはその他の物質の送達に有用であるだけでなく、その他の用途にも有用である。CYCポリマー、CYC化合物、CYC集合体、およびSSPポリマーの定義は以下に示す。以下の開示にて、CYCキャリアの1つ、1つのCYCキャリアの成分、1つのCYCキャリアの特性、またはCYCキャリアの1つを利用する組成物もしくは方法について言及する場合、その開示内容は、それが不可能となる状況でない限りにおいて、その他のCYCキャリアにも適用可能である。本発明に従って送達することができる物質(本明細書にて、「放出物質(release materials)」と称する)としては、これらに限定されないが、薬物を含むがこれらに限定されない生物活性物質が挙げられる。従って、本明細書にて生物活性物質の送達について言及する場合、そのような言及はその他の物質にも適用可能であることは理解されたい。]
[0009] 物質を送達することができる部位(本明細書にて「標的部位」と称する)としては、どのような種類のものであってもよく、上記で示した国際出願で開示される部位が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、標的部位は、いかなる動物、植物、または無機基材であってもよく、その一部分またはすべてが、そこへ物質を送達することによって影響を受ける(例:改良、保存、識別、または損傷、場合によっては生理学的影響の発生)。標的部位は、例えば、ヒトの内部分もしくは外部分を例とする生体動物;細胞;ヒト毛髪もしくは織物を例とする繊維状物質;土壌;種子;果実;または植物を含むことができる。]
[0010] 「CYCポリマー」という用語は:
(A)バックボーンを有し、ならびに
(i)式−b−Cyを有し、および
(ii)
(A)バックボーンの繰り返しユニットの一部分を形成して、その繰り返しユニットが以下の式(1)を有し、

ここで、Ychは、バックボーンの一部分を形成する部分であり、
bは、結合もしくはCy部分をYchへ連結する部分であり、および
Cyは、その他の部分(Cy部分であってもよい)と会合してCYCポリマーに結晶性を付与する部分であるか;または、
(B)バックボーンの末端ユニットの一部分を形成して、その末端ユニットが以下の式(2)を有し、
−Yterm−b−Cy (2)
ここで、Ytermは、バックボーンの末端の部分であり、bおよびCyは、式(1)で定める通りである、
少なくとも1つの部分を含む、ポリマー分子を含み;ならびに、
(B)Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度(以降Tpと略する)が少なくとも0℃であり、融解熱(以降ΔHと略する)が少なくとも3J/gである、
ポリマーとして本明細書に定義される。この定義、および本明細書全体を通して、TpおよびΔHは、以降で述べるように示差走査熱量計(DSC)にて測定される。]
[0011] 多くのCYCポリマーにおいて、ポリマー分子のバックボーンは、以下の式(3)を持つ繰り返しユニットを含み、

ここで、Zは、バックボーンの一部分を形成する部分であり、Rzは、Cy部分を含まない部分を表す。多くの有用なCYCポリマーは、両親媒性を有し、Cy部分が疎水性を提供し、Z(Rz)部分が親水性を提供する。]
[0012] 「CYSCポリマー」という用語は、重量基準でCy部分の少なくとも大部分、好ましくは少なくとも90重量%、特には実質的にすべてが式(1)の繰り返しユニット内に存在するCYCポリマーを示すために本明細書にて用いられる。従って、CYSCポリマーは、常に式(1)の繰り返しユニットを有し、所望される場合は、式(2)の末端ユニットおよび式(3)の繰り返しユニットを含んでよい。「ECCポリマー」という用語は、重量基準でCy部分の少なくとも大部分、好ましくは少なくとも90重量%、特には実質的にすべてが式(2)の末端ユニット内に存在するCYCポリマーを示すために本明細書にて用いられる。従って、ECCポリマーは、常に式(2)の末端ユニットおよび式(3)の繰り返しユニットを有し、所望される場合は、式(1)の繰り返しユニットを含んでよい。]
[0013] 「CYC化合物」という用語は、
(A)
Q(−b−Cy)q (4)
の式を有し、
ここで、qは、少なくとも2であり、例えば、3〜8であり、
Qは、少なくともqの結合価を有する部分であり、
bは、結合またはCy部分をQ部分と連結する部分であり、および
Cyは、式(1)で定める通りであり、ならびに
(B)Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度Tpが少なくとも0℃であり、ΔHが少なくとも3J/gである、
非ポリマー化合物として本明細書にて定義される。]
[0014] 「CYC集合体」という用語は、(i)少なくとも0℃のTpおよび少なくとも4J/gのΔHを必ずしも有しないこと以外は上記で定める通りであるCYCポリマーであるポリマー、および(ii)Cy部分を含み、このポリマーと密接に混合されるがポリマーと共有結合による連結はしない化合物の集合体であり、この集合体は、Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度Tpが少なくとも0℃であり、ΔHが少なくとも3J/gであるとして本明細書にて定義される。]
[0015] SSPポリマーという用語は、
(1)結晶溶融温度Tpが少なくとも25℃、例えば27〜100℃であり、ΔHが少なくとも5J/gであり;および
(2)
(a)親水性部分を含まず、以下の式(1)を有し、

ここで、Ychは、バックボーンの一部分を形成する部分であり、
bは、結合もしくはCy部分をYchと連結する部分であり、および
Cyは、その他のCy部分と会合してSSPポリマーに結晶性を付与する部分である、
繰り返しユニット;
(b)以下の式(2zphil)を有し、

ここで、Zは、バックボーンの一部分を形成する部分であり、および
Rzphilは、親水性部分を含む、
繰り返しユニット;
を含むバックボーンを有するポリマー分子を含み、
式(2zphil)のユニットの式(1)のユニットに対するモル比が少なくとも2.5:1である、ポリマーとして本明細書にて定義される。]
[0016] 部分−b−Cyは、本明細書にて、−Rc部分とも称され、すなわち、Rcはb−Cyと同義である。]
[0017] 本発明の種々の局面としては、以下のものが挙げられる:
(1)(i)CYCキャリアおよび(ii)それと会合した放出物質を含む組成物。そのような組成物は、本明細書にて「放出組成物(release compositions)」と称する。
(2)(1)で定める組成物からの放出物質の放出方法。
(3)(i)CYCキャリアおよび(ii)放出物質を組み合わせて用いて、標的部位に影響を与える(例:改良、保存、識別、または損傷)方法であって、例えば、生物の健康状態もしくは外観に影響を与えるか、または生物の診断の補助を行う、方法。
(4)標的部位へ影響を与える方法であって、この標的部位へ(i)CYCキャリアおよび(ii)放出物質を投与することを含み、このCYCキャリアおよび放出物質が投与前に互いに会合しているか、または投与の最中もしくは後に互いに会合状態となる、方法。
(5)(1)で定める放出組成物を作製する方法。組成物は、組成物を投与する前に作製されることが多いが、CYCキャリアおよび放出物質を同時もしくは順次に投与する結果として、投与の最中に、および/もしくは投与部位においてin situにて、作製または修飾することができる。
(6)(i)CYCキャリアおよび(ii)放出物質を投与するための装置(devices)であって、CYCキャリアおよび放出物質は、(i)(1)で定める組成物の形態であるか、または(ii)別々に投与されて、投与の最中もしくは後に会合状態となる、装置。このような装置は、本明細書にて「放出装置(release devices)」と称する。
(7)上記で定める放出組成物または放出装置の使用。
(8)上記で定める放出装置および放出組成物の作製方法。
(9)生物の状態を治療するための医薬の製造における、(i)CYCキャリアおよび(ii)それと会合した薬物を含む組成物の使用。
(10)上記の段落(1)〜(9)における使用、およびその他の目的に適する、SSPポリマーを例とする新規なCYCキャリア。]
図面の簡単な説明

[0018] 本発明を添付の図面で説明するが、これらの図は、以下でさらに述べるように、実施例で得られた結果をまとめたものである。これらの図の各々において、特に断りのない限り、縦軸は放出物質の全放出パーセント(「累積放出」)を、横軸は日数による時間を示し、それぞれの曲線は、図上に表示したポリマーまたはサンプルID番号を参照することで識別される。
図1aは、実施例EC1(C)で作製したID番号341‐1‐0の未修飾PLGAポリマーを主体とするID番号341‐54‐3の試験サンプルからの;および実施例EC1で作製したID番号341‐1‐3のポリマーを主体とするID番号341‐54‐5の試験サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図1bは、市販の未修飾PLGAを主体とするID番号341‐48‐3の試験サンプルからの、および実施例EC1で作製したID番号341‐1‐3のポリマーを主体とする341‐48‐5の試験サンプルからのジクロフェナクナトリウムの累積放出を示す。
図2は、ID番号341‐54‐3の試験サンプル(上記)からの、実施例EC3で作製したID番号338‐80のポリマーを主体とするID番号341‐90‐1の試験サンプルからの、および実施例EC1で作製したID番号341‐1‐3のポリマーを主体とする番号341‐54‐5の試験サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図3は、番号341‐54‐3の試験サンプル(上記)からの、および実施例EC3で作製したID番号341‐41‐5Rのポリマーを主体とする341‐90‐4の試験サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図4aは、市販の未修飾PLGAを主体とするID番号341‐54‐1の試験サンプルからの、および実施例EC4で作製したID番号338‐55のポリマーを主体とするID番号341‐54‐2の試験サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図4bは、ID番号341‐48‐1の試験サンプル(上記)からの、および実施例EC4で作製したID番号338‐55のポリマーを主体とするID番号341‐48‐2の試験サンプルからのジクロフェナクナトリウムの累積放出を示す。
図5aは、実施例EC1で作製したID番号341‐1‐3のポリマーを主体とする番号341‐54‐5の試験サンプルからの、実施例EC5で作製したID番号338‐56のポリマーを主体とするID番号341‐54‐7の試験サンプルからの、およびID番号341‐54‐3の試験サンプル(上記)からのリスペリドンの累積放出を示す。
図5bは、実施例EC1で作製したID番号341‐1‐3のポリマーを主体とする番号341‐48‐5の試験サンプルからの、実施例EC5で作製したID番号338‐56のポリマーを主体とする番号341‐48‐7の試験サンプルからの、および実施例EC1(C)で作製したID番号341‐1‐0のポリマーを主体とするID番号341‐48‐3の試験サンプルからのジクロフェナクナトリウムの累積放出を示す。
図6は、実施例EC1で作製したID番号341‐1‐3のポリマーを主体とするID番号341‐54‐5の試験サンプルからの、実施例EC5で作製したID番号338‐56のポリマーを主体とするID番号341‐54‐7の試験サンプルからの、実施例EC1(C)で作製したID番号341‐1‐0のポリマーを主体とするID番号341‐54‐3の試験サンプルからの、および実施例EC1で作製したID番号341‐1‐3のポリマーを主体とする番号341‐90‐3の試験サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図7は、実施例EC1(C)で作製したID番号341‐1‐0のポリマーを主体とするID番号341‐54‐3のサンプルからの、実施例EC3で作製したID番号341‐41‐5Rのポリマーを主体とするID番号341‐90‐4のサンプルからの、および実施例EC7で作製したID番号338‐93のポリマーを主体とするID番号341‐93の試験サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図8は、実施例EC1で作製したID番号341‐1‐0のポリマーを主体とするID番号341‐54‐3の試験サンプルからの、実施例EC3で作製したID番号341‐41‐5Rのポリマーを主体とするID番号341‐90‐4の試験サンプルからの、および実施例EC8で作製したID番号338‐92のポリマーを主体とするID番号341‐90‐11の試験サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図9aは、ポリC8を主体とするID番号341‐54‐3の試験サンプルからの、ポリC16を主体とするID番号336‐46‐1の試験サンプルからの、およびポリC16LMを主体とするID番号341‐54‐9の試験サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図9bは、ポリC16を主体とするID番号336‐47‐1の試験サンプルからの、およびポリC16LMを主体とするID番号341‐48‐9の試験サンプルからのジクロフェナクナトリウムの累積放出を示す。
図10aは、実施例EC11Aで作製したID番号341‐55‐1のCYC化合物を主体とするID番号341‐73‐1の試験サンプルからの、実施例EC11Bで作製したID番号341‐55‐2のCYC化合物を主体とするID番号341‐73‐2の試験サンプルからの、実施例EC11Cで作製したID番号341‐55‐3のCYC化合物を主体とするID番号341‐73‐3の試験サンプルからの、実施例EC11Fで作製したID番号341‐55‐6のCYC化合物を主体とするID番号341‐73‐5の試験サンプルからの、実施例EC11Eで作製したID番号341‐55‐6のCYC化合物を主体とするID番号341‐73‐6の試験サンプルからの、およびベヘン酸を主体とするID番号341‐73‐6の試験サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図10bは、実施例EC11Aで作製したID番号341‐55‐1のCYC化合物を主体とするID番号341‐72‐1の試験サンプルからの、実施例EC11Bで作製したID番号341‐55‐2のCYC化合物を主体とするID番号341‐72‐2の試験サンプルからの、実施例EC11Cで作製したID番号341‐55‐3のCYC化合物を主体とするID番号341‐72‐3の試験サンプルからの、実施例EC11Eで作製したID番号341‐55‐5のCYC化合物を主体とするID番号341‐72‐5の試験サンプルからの、実施例EC11Fで作製したID番号341‐55‐6のCYC化合物を主体とするID番号341‐72‐6の試験サンプルからの、およびベヘン酸を主体とするID番号341‐72‐7の試験サンプルからのジクロフェナクナトリウムの累積放出を示す。
図11aは、実施例12Aで作製したID番号341‐62‐1のCYC化合物を主体とするID番号341‐73‐8の試験サンプルからの、実施例EC12Bで作製したID番号341‐62‐2のCYC化合物を主体とするID番号341‐73‐9の試験サンプルからの、実施例EC12Cで作製したID番号341‐62‐3のCYC化合物を主体とするID番号341‐73‐10の試験サンプルからの、およびC22酸を主体とするID番号341‐73‐7の試験サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図11bは、実施例12Aで作製したID番号341‐62‐1のCYC化合物を主体とするID番号341‐72‐8の試験サンプルからの、実施例EC12Bで作製したID番号341‐62‐2のCYC化合物を主体とするID番号341‐72‐9の試験サンプルからの、実施例EC12Cで作製したID番号341‐62‐3のCYC化合物を主体とするID番号341‐72‐10の試験サンプルからの、およびC22酸を主体とするID番号341‐72‐7の試験サンプルからのジクロフェナクナトリウムの累積放出を示す。
図12は、実施例EC1(C)で作製したID番号341‐1‐0のポリマーを主体とするID番号341‐54‐3の試験サンプルからの、実施例EC14で作製したID番号341‐89のCYSCブロックコポリマーを主体とするID番号341‐90‐10の試験サンプルからの、実施例EC15で作製したID番号341‐85のCYSCブロックコポリマーを主体とするID番号341‐90‐6の試験サンプルからの、実施例EC16で作製したID番号341‐86のCYSCブロックコポリマーを主体とする番号341‐90‐8の試験サンプルからの、および実施例EC15で作製したID番号341‐82のCYSCブロックコポリマーを主体とする番号341‐90‐5の試験サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図13は、すべてエトキシル化ステアリルアルコールを主体とする、ID番号336‐131‐4、336 116‐6、336‐116‐7、および336‐116‐8の放出サンプルからのジクロフェナクナトリウムの累積放出を示す。
図14は、すべて脂肪酸を主体とする、ID番号336‐115‐1、336‐115‐2、336‐115‐3、および341‐73‐7の放出サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図15は、市販のPLGA、PLGAプラスEthal CSA−3、PLGAプラスERSS00707、およびPLGAプラスERS X00708をそれぞれ主体とする341‐48‐1、336‐130‐3、336‐130‐10、および336‐130‐11の放出サンプルからのジクロフェナクナトリウムの累積放出を示す。
図16は、ID番号336‐141‐3のポリマーとID番号326‐1‐1のポリマーおよびID番号327‐42‐11のポリマーの一方との種々の混合物のTpおよびΔHのそれぞれの測定値および理論値を示しており、理論値は、2つの成分からの寄与の加重和として算出した。図16では、Tpを縦軸に示す。
図17は、ID番号336‐141‐3のポリマーとID番号326‐1‐1のポリマーおよびID番号327‐42‐11のポリマーの一方との種々の混合物のTpおよびΔHのそれぞれの測定値および理論値を示しており、理論値は、2つの成分からの寄与の加重和として算出した。図17では、ΔHを縦軸に示す。
図18は、ID番号326‐1‐1のポリマーを主体とする試験サンプルからの、ID番号326‐3‐1のポリマーを主体とする試験サンプルからの、ID番号327‐42‐11のポリマーと26.4重量%のPOE(6)C18OHとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号336‐141‐3のポリマーと4.5%のPOE(6)C18OHとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号326‐1‐1のポリマーと20.8%のC18OHとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号326‐3‐1のポリマーと28.4%のPOE(6)C18OHとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号336‐141‐3のポリマーを主体とする試験サンプルからの、ID番号326‐1‐1のポリマーと44.1%のC18OHとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号327‐42‐11のポリマーを主体とする試験サンプルからの、およびID番号336‐141‐3のポリマーと2.43%のC18OHセブンとの混合物を主体とする試験サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図19は、ID番号326‐1‐1のポリマーを主体とする試験サンプルからの、ID番号326‐1‐1のポリマーと44.1%のC18OHとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号326‐3‐1のポリマーと28.4%のPOE(6)C18OHとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号327‐42‐11のポリマーと26.4%のPOE(6)C18OHとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号336‐141‐3のポリマーと2.4%のC18OHとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号326‐1‐1のポリマーと20.1%のC18OHとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号326‐3‐1のポリマーを主体とする試験サンプルからの、ID番号327‐42‐11のポリマーを主体とする試験サンプルからの、ID番号336‐141‐3のポリマーを主体とする試験サンプルからの、およびID番号336‐141‐3のポリマーと4.5%のPOE(6)C18OHとの混合物を主体とする試験サンプルからのジクロフェナクナトリウムの累積放出を示す。
図20は、ID番号336‐141‐3のポリマーを主体とする試験サンプルからの、ID番号336‐141‐3のポリマーと3.06%のID番号326‐1‐1のポリマーとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号336‐141‐3のポリマーと8.64%のID番号326‐1‐1のポリマーとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号336‐141‐3のポリマーと4.21%のID番号327‐42‐11のポリマーとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号336‐141‐3のポリマーと28.35%のID番号327‐42‐11のポリマーとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号327‐42‐11のポリマーを主体とする試験サンプルからの、およびID番号341‐1‐0のポリマーを主体とする試験サンプルからのリスペリドンの累積放出を示す。
図21は、ID番号336‐141‐3のポリマーを主体とする試験サンプルからの、ID番号326‐1‐1のポリマーと96.9%のID番号336‐141‐3のポリマーとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号326‐1のポリマーと91.4%のID番号336‐141‐3のポリマーとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号326‐1‐1のポリマーと77.9%のID番号336‐141‐3のポリマーとの混合物を主体とする放出サンプルからの、ID番号327‐42‐11のポリマーと95.8%のID番号336‐141‐3のポリマーとの混合物を主体とする試験サンプルからの、ID番号327‐42‐11のポリマーと71.6%のID番号336‐141‐3のポリマーとの混合物を主体とする試験サンプルからの、およびID番号327‐42‐11のポリマーを主体とする試験サンプルからのジクロフェナクナトリウムの累積放出を示す。
図22は、表EC7で識別されるCYC自己集合体からのリスペリドンの累積放出を示す。] 図10a 図10b 図11a 図11b 図12 図13 図14 図15 図16 図17
[0019] 本明細書では:
(1)本発明の特定の特徴ついて述べる(例えば、構成部分、成分、要素、装置、器具(apparatus)、系、群、範囲、方法の工程、試験結果、など)。本明細書における本発明の開示が、そのような特定の特徴の考え得るすべての組み合わせを含むことは理解されたい。例えば、特定の態様または請求項に関して特定の特徴が開示される場合、その特徴は、適切な程度にて、その他の特定の態様および請求項に関しても、ならびに本発明全般においても使用可能である。]
[0020] (2)単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈から明らかにそうでないことが示されていない限りは、複数の意味を含む。従って、「1つの部分(a part)」について言及する場合、複数のそのような部分を含む。]
[0021] (3)「含む(comprises)」という用語、およびその文法的に同等である語は、具体的に識別された特徴に加えて、その他の特徴も所望される場合は存在してよいことを意味するために用いられる。例えば、CYCキャリアおよび薬物を含む製剤は、単一のCYCキャリアおよび単一の薬物を含んでよく、または2種類以上のCYCキャリアおよび/もしくは2種類以上の薬物を含んでよく、ならびに、所望される場合は、本明細書で開示されるその他の成分を例とするCYCキャリアではない1種類以上のその他の成分を含んでよい。]
[0022] (4)「実質的に構成される(consisting essentially of)」という用語、およびその文法的に同等である語は、具体的に識別された特徴に加えて、開示されたおよび/または請求された発明を実質的に変更しないその他の特徴も存在してよいことを意味するために用いられる。]
[0023] (5)「少なくとも」という用語およびそれに続く数字は、その数字で始まる範囲の始点を示すために用いられる(定義される変数に応じて、範囲が上限を有していても有していなくてもよい)。例えば、「少なくとも1の」とは、1もしくは1超を意味し、「少なくとも80%」とは、80%もしくは80%超を意味する。]
[0024] (6)「多くとも」という用語およびそれに続く数字は、その数字で終わる範囲の終点を示すために用いられる(定義される変数に応じて、1もしくは0を下限とする範囲であってよく、または下限を有しない範囲であってもよい)。例えば、「多くとも4の」とは、4もしくは4未満を意味し、「多くとも40%」とは、40%もしくは40%未満を意味する。]
[0025] (7)「(第一の数字)から(第二の数字)」または「(第一の数字)〜(第二の数字)」として記述される範囲は、下限が第一の数字であり上限が第二の数字である範囲を意味する。例えば、「8から20個の炭素原子」または「8〜20個の炭素原子」とは、下限が8個の炭素原子であり上限が20個の炭素原子である範囲を意味する。]
[0026] (8)「複数の(plural)」、「複数の(multiple)」、「複数(plurality)」、および「複数(multiplicity)」という用語は、本明細書にて2もしくは3以上の特徴を示すために用いられる。]
[0027] (9)方法が2もしくは3つ以上の定められた工程を含むとして説明される場合、その定められた工程は、いかなる順序で実施しても、または同時に実施してもよく(文脈からその可能性が除外される場合以外は)、ならびに、その方法は、所望される場合、定められた工程のいずれかの前、定められた工程のうちの2つの間、または定められた全工程の後に実施される1もしくは2つ以上のその他の工程を含んでよい(文脈からその可能性が除外される場合以外は)。]
[0028] (10)2もしくは3つ以上の特徴について言及する場合、これは、その2もしくは3つ以上の特徴が、同一の機能を提供するより少ない数もしくはより多い数の特徴に置換される可能性を含む(文脈からその可能性が除外される場合以外は)。]
[0029] (11)与えられた数字は、その文脈および表現に対して適切である許容範囲で解釈されるべきであり;例えば、各数字は、当業者によって従来から用いられる方法で測定することができる精度に依存して変動することがある。]
[0030] (12)部、比、およびパーセントは、特に断りのない限り重量基準である。]
[0031] (13)温度は摂氏度である(℃)。]
[0032] (14)ポリマーの分子量の単位はダルトンであり;重量平均分子量(Mw)であると断りのない限り数平均分子量(Mn)であり;および、ポリスチレン標準に対してGPCを用いて測定されると断らない限り、例えばWyatt Technology製のDAWN DSPレーザー光度計を用いた光散乱検出法によるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定される。]
[0033] (15)「融点」(Tpと略する場合が多い)、「溶融温度の開始点」(Toと略する場合が多い)、および「融解熱」(ポリマーの結晶性の尺度であり、J/gで表され、ΔHと略する場合が多い)という用語は、ポリマー技術者に公知であり、示差走査熱量計(以降DSCと称する)、例えばTA Instruments製のQ100 DSC、を用い、10℃/分の温度変化率にて、例えば10から150℃の範囲で測定される量を意味する。Tpは、ピーク溶融温度であり、Toは、DSCピークのベースラインと開始ライン(onset line)との交差点の温度であり、開始ラインとはTp未満におけるDSC曲線の勾配が最も急である部分に対するタンジェントとして定義され、およびΔHは、DSCによって算出される吸熱または発熱に関連する融解熱であり、J/gの単位で報告される。特に断りのない限り、Tp、To、およびΔHの値は、2回目の加熱サイクルで測定される。]
[0034] (16)バルク粘度は、センチポアズで与えられ、例えば95℃に制御された電子サーモスタット制御によるサーマルヒーター、ならびにスピンドル4および7を用いる少量サンプルアダプターを有するBrookfield LVT粘度計を用いて測定される。]
[0035] (17)溶解度パラメータは、D.W. van Krevelen, “Properties of Polymers” Elsevier, 1997, p. 200−214、特にp.214に記載の方法を用いて算出され、J1/2/cm3/2で報告される。]
[0036] (18)「会合した(associated)」という用語およびその文法的な変形は、いかなる種類の相互作用をも含み、化学結合(例えば、共有、イオン、および水素結合)、ならびに/またはファンデルワールス力、ならびに/または分子構造によってもたらされるその他の物理的な束縛による極性および非極性相互作用、および物理的混合による相互作用、が挙げられる。]
[0037] (19)「医薬製剤」という用語は、(i)ヒトもしくはその他の哺乳類への投与に適するか、またはそのような投与に適するように殺菌を例とする処理を行うことができ、ならびに(ii)少なくとも1つの薬物および少なくとも1つのCYCキャリアを含む組成物を意味する。「薬物」という用語は、ヒトもしくはその他の哺乳類において局所的におよび/または全身的に生物活性である物質を意味する。]
[0038] (20)「治療効果量」または「治療効果投与量」という用語は、所望される治療効果を得る結果となる薬物の量を意味する。]
[0039] (21)「農業の」という用語は、植物、種子、および土壌の処理に有用である組成物ならびに方法を意味する。「水産養殖の(aquacultural)」という用語は、淡水または海水生物の処理に有用である組成物および方法を意味する。]
[0040] (22)「パーソナルケア(Personal Care)」という用語は、主としてまたは完全に非医療目的、例えば美容または衛生目的による、ヒトの身体(ヒト毛髪を含む)の処理に有用である組成物および方法を意味する。]
[0041] (23)「生物」という用語は、これらに限定されないが、ヒトおよびその他の哺乳類、哺乳類の一部ではない生組織、淡水生物、海水生物、植物、種子、ならびに生きた生物を含有する土壌を含む。本発明は、例えば、ヒトおよびその他の哺乳類への薬物の送達に;植物、種子、および土壌への殺生物剤ならびに/または肥料の送達に:ヒトへの美容成分の送達に;ならびに、美容およびその他の製剤の構成部分として使用することによる増粘および流動学的性質の制御などの有益性の提供に有用である。]
[0042] (24)「治療効果量」という用語は、所望される治療効果をもたらす薬物の量を意味する。]
[0043] (25)「診断剤」という用語は、診断または診断試験に用いることができるいかなる化学的成分(chemical moiety)をも意味する。例えば、診断剤としては、放射性同位元素を含有するイメージング剤(imaging agents)、例えばヨウ素を含有する造影剤(contrasting agents)、酵素、蛍光物質などが挙げられる。]
[0044] (26)「治療(treatment)」という用語は、そのプロセスが治癒的要素を含むかどうかを問わず、生理学的状態を変化させるための個人への医薬製剤の投与を例とする、組成物の部位への投与を意味する。]
[0045] (27)薬物またはその他の生物活性物質の「放出制御」とは、所定のまたは調節可能な方法でその物質を放出し、それによって放出の量、速度、もしくはタイミングが予め設定されるかまたは所望される方法で変化することを意味する。]
[0046] (28)「放出制御装置」、「放出制御剤形」という用語、および類似の用語は、薬物もしくはその中に含有されるその他の所望される物質の放出速度(例:放出のタイミングの比率(rate of timing of release))が、その装置もしくは剤形自体によって、および/または使用環境によって制御されるいかなる製剤または装置をも意味する。薬物送達制御(Controlled drug delivery)は、ある量の薬物を特定の標的部位へ特定の時間に送達することを含み、例えば、腫瘍部位への薬物のボーラスの送達である。]
[0047] (29)薬物またはその他の物質の「持続放出」とは、最初に放出される生物活性物質が全量未満である、例えば何分間、何時間、または何日間という長時間にわたる放出を意味する。持続放出速度により、例えば、生理学的条件下またはインビトロ試験にて、医薬製剤から指定量の薬物を特定の時間にわたって放出することが可能となる。]
[0048] (30)「ボーラス」放出とは、大量用量の放出を意味し、例えば、一度にまたは短時間にて実質的に全量の薬物を放出することである。ボーラス放出は、持続放出の後または前に行ってよい。]
[0049] (31)多くの場合薬物送達の文脈で、所望よりも多い量または高い速度にて組成物から生物活性物質が放出されること(通常、薬物送達では、治療域(therapeutic window)を超える)を意味するために、「バースト効果(burst effect)」という用語が用いられる。一般的には、バーストに引き続いて放出速度が急激に低下する。バースト効果は、定められた条件下にて、定められた時間にわたって、生物活性物質が定められた閾値割合を超えて放出されることと定義することができる。定められた条件は、例えば、生理学的条件(例:丸剤の場合は胃腸管、インプラントの場合は皮下)であってよく、または適切なインビトロ試験における条件(例えば、約20℃もしくは約37℃のリン酸緩衝生理食塩水中、または以下の実施例で述べる試験)であってもよい。閾値割合は、例えば20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%であってよく、定められた時間は、例えば30分、1時間、2時間、3時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、24時間、36時間、または48時間であってよい。例えば、著しいバースト効果を示さない医薬製剤としては、投与後3時間にわたって、または投与後24時間にわたって薬物の10%未満を放出するものであってよい。]
[0050] (32)ポリマーを含む化学化合物に適用される「官能化された」という用語は、化合物が処理前に化合物上に存在しなかった官能部分(すなわち、さらなる所望される化学反応を受ける部分)を含むように、または化合物の極性が例えば溶解度パラメータの変化によって裏付けられる変化を起こすように、化合物が処理されたことを意味する。]
[0051] (33)「アルキル」という用語は、直鎖アルキル部分、分岐鎖アルキル部分、シクロアルキル部分、ならびに直鎖アルキル、分岐鎖アルキル、およびシクロアルキル部分の2もしくは3つ以上から実質的に構成される部分であるアルキル部分を含む。]
[0052] (34)CYCキャリアまたは放出組成物に適用される「生崩壊性(bioerodable)」(別の選択肢として「生分解性(biodegradable)」の場合もある)という用語は、そのキャリアまたは組成物が、ヒト体内に配置された場合、ヒト体内から除去されることを意味し、キャリアは、変化せずに、またはヒト体内でのキャリアの分解の結果である1もしくは2つ以上の低分子量生成物として除去される。除去は、10週間までの期間を例として比較的急速に行われてよいが、例えば、3年間までを例とする1年間もしくは1年超の期間にわたるといったようにより長くかかる場合が多い。生崩壊性でないキャリアは、経口製剤の一部である場合は排尿によって、またはインプラント製剤の一部である場合は外植(explantation)によって体内から排出することができる。]
[0053] (35)CYCポリマーに対して以下で与えられる構造式のいくつかは、一般形、
−(−ユニット1−)x−(−ユニット1−)y−
の繰り返しユニットを示す。この表記は、異なる繰り返しユニットがランダムに分布しているポリマー、および/または異なる繰り返しユニットがその繰り返しユニットのうちの1つだけを含むブロックとして分布しているポリマーを示すために用いられる。従って、このような式で表されるポリマーは、ランダムコポリマーであっても、またはブロックコポリマーであってもよい。]
[0054] 下記の表は、本明細書で用いられる他の略語、およびそれらに帰属される意味を記述するものである。]
[0055] ]
[0056] CYCキャリア
CYCキャリアの結晶性および融解熱
CYCキャリアの極めて重要な部分である結晶性は、Cy部分同士の、および/またはCy部分とその他の物質の部分(この部分はCy部分であってもよい)との会合によって提供される。Cy部分は、互いに、および/またはその他の部分と重なり合って相互作用を起こし、結晶性凝集体またはドメインを形成することができる部分を含む。そのような部分の例としては、15〜23個または17〜21個のメチレン部分を例とする、少なくとも13個、好ましくは少なくとも15個、特には少なくとも17個、および最大50個までもしくはさらに50個超までのメチレン部分を含むポリメチレン部分が挙げられる。そのような部分のその他の例の多くを以下に開示する。結晶性の度合いは、そのような部分が重なり合って相互作用を起こす能力に依存する。従って、結晶性は、Cy部分の割合を増加させることによって、Cy部分の互いの近接性を高めることによって(例えば、Cy部分のすべてもしくは大部分を、コポリマーのブロック(例:グラフトしたブロック)に、またはポリマーもしくは化合物の末端ユニットに配置することにより)、およびCy部分が重なり合って相互作用を起こす能力を阻害するのに十分なかさ高さであるその他の部分を最小限に抑えることによって、高められる。側鎖結晶性(side chain crystalline)(SCC)ポリマーとして知られるポリマーの限定された状況において、それがポリメチレン部分などの相互作用によって結晶性を生ずることが公知である。当業者であれば、本明細書の開示事項および自身の知識を考慮して、本発明において有用である結晶性CYCキャリアの作製および使用に困難を伴わないであろう。SCCポリマーに関する特許およびその他の刊行物としては、J.Poly.Sci.60,19(1962);J.Poly.Sci,(Polymer Chemistry)7,3053(1969),9,1835,3349,3351,3367,10,1657,3347,18,2197,19,1871;J.Poly.Sci,Poly−Physics Ed 18 2197(1980);J.Poly.Sci,Macromol.Rev,8,117(1974);Macromolecules 12,94(1979),13,12,15,18,2141,19,611;JACS 75,3326(1953),76;6280;Polymer J 17,991(1985);およびPoly.Sci USSR 21,241(1979);米国特許第4,830,855号、第5,120,349号、第5,129,180号、第5,156,911号、第5,254,354号、第5,387,450号、第5,412,035号、第5,469,867号、第5,665,822号、第5,752,926号、第5,783,302号、第6,013,293号、第6,060,540号、第6,199,318号、第6,210,724号、第6,224,793号、第6,255,367号、第6,376,032号、第6,492,462号、第6,540,984号、第6,548,132号、第6,831,116号、第6,989,417号、および第7,101,928号;ならびに米国特許出願公開第2001/0018484号、第2002/0090425号、および第2002/0127305号、が挙げられる。これらの刊行物、特許、および特許公開の各々の全開示内容は、あらゆる点において参照することで本明細書に組み入れられる。CYCキャリアの融解熱ΔHの値は、その結晶性を反映しており、少なくとも3、例えば、少なくとも4、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、または少なくとも45J/gであり、例えば、3〜50、4〜50、10〜50、10〜40、15〜35、3〜30、3〜22、または3〜10J/gであってよい。CYCキャリアは、必須ではないが、いわゆる「主鎖の結晶性(main chain crystallinity)」、すなわち、ポリマーバックボーンの結晶化に起因する結晶性を有していてよい。従って、ある態様では、CYCキャリアは、例えば主鎖結晶性ポリマーがb−Cy部分を中間点および/または末端点に含有するように修飾される場合に、主鎖結晶性を有する。CYCキャリアが主鎖結晶性を有する場合、TpおよびΔHは、Cy部分によって提供される結晶性のみについて評価されるべきであり、主鎖結晶性に起因するTpおよびΔHは無視するべきである。]
[0057] Tp、溶融範囲(Tp−To)、およびCYCキャリアのMn
CYCキャリアの融点(Tp)は、主としてCy部分の性質に依存しており、(主鎖結晶性ポリマーとは異なり)キャリアの分子量に大きく依存していることはない。CYCキャリアのTpは、例えば、22〜70、35〜50、38〜50、37〜42、もしくは40〜47℃、または少なくとも37℃である。しかし、Tpが22℃未満、例えば2℃という低さであるか、または70℃を超えるCYCキャリアは、特定の態様において有用であり得る。TpおよびTp−Toを相対的にほとんど変化させずに分子量を制御することができるということは重要である。このことは、CYCキャリアのCy部分(およびその他の部分)、ならびにCYCキャリアの作製に用いられる方法(例:ポリマーを作製する際の連鎖移動剤の利用)を選択することにより、所望されるTp、Tp−To、および分子量を有するキャリアを作製することが可能であることを意味する。これらの尺度を用いて、CYCキャリアの溶融範囲を制御することも可能である。溶融範囲は、都合良くTp−Toの値で定量化することができる(Toは、上記で定めるように、溶融温度の開始点)。ある態様では、CYCキャリアは、Tp−To<Tp0.7、例えば<Tp0.6を有し;例えば、本態様では、Tpが40℃の場合、Tp−Toは13.2℃未満、例えば9.1℃未満である。他の態様では、Tp−Toは15℃未満、10℃未満、または5℃未満である。これらの変数の制御が可能であることは、様々な目的に対して有益である。例えば、医薬製剤の場合、Tpはインビボでの温度を基準にして選択することができる。さらに、TpおよびTp−Toは、特に放出物質が高温では分解してしまう場合、比較的低温での放出組成物の作製および加工が容易となるように選択することができる。]
[0058] 一般に、CYCポリマーのTpは、Cy部分の直鎖炭素原子の数が増加するに従って上昇する。例えば、n‐アルキル基が14、16、18、22、30、40、および50個の炭素原子を含むn‐アルキルアクリレートのホモポリマーは、それぞれ、約20、36、49、65、76、96、および102℃のTpを持ち;対応するn‐アルキルメタクリレートのホモポリマーは、それぞれ、約10、26、39、55、68、91、および95℃のTpを持つ。2もしくは3つ以上の−Y(b−Cy)−部分から構成されるコポリマーのTpは、異なる部分の相対的な割合を反映している。長鎖n‐アルキルアクリレートおよびn‐アルキルメタクリレートのランダムコポリマーは、一般に、n‐アルキル鎖の長さに応じて0から85℃の範囲の中間的なTpを持つ。その他の部分(すなわち、Rc部分を含まない部分)が存在すると、一般に、Tpが低下し、溶融範囲が広くなる。アクリル酸またはブチルアクリレートを例とするその他のモノマーとのランダムコポリマーは、通常、多少低めの溶融温度を持つ。長鎖Rz部分は、一般に、短鎖Rz部分よりもTpを低下させ、それは、Cy部分による結晶性ドメインの形成を阻害する潜在能が長鎖部分の方が高いからである。]
[0059] CYCキャリアのMnは、放出物質の取り込み、および/または保持、および/または送達に影響を与え得る。Mnは、例えば、1,000〜50,000、2000〜40,000、2000〜25,000、2000〜30,000、または3000〜20,000、または3000〜10,000、または3000〜8000を例とする、500〜1,000,000であってよい。ある場合では、Mnは、200,000未満、または100,000未満、または80,000未満、または60,000未満、または50,000未満、または30,000未満、または25,000未満、または20,000未満、または10,000未満、または8000未満、または7000未満、または5000未満、または2500未満、または1000未満であり、例えば、1,000〜20,000、または1,000〜10,000、または2,000〜20,000、または3,000〜5,000である。他の場合では、Mnは1,000,000超であってよい。CYCポリマーが架橋ヒドロゲルである場合を例とするさらに他の場合では、Mnは無限大であってよい。ある態様では、CYCキャリアは、20,000未満、または15,000未満、または10,000未満の分子量を持つ。ある態様では、Mnは、600超、または800超、または1000超である。ある態様では、CYCキャリアは、体内から排泄可能であるように、帯電も架橋もしていない。ある態様では、組成物が経口投与用の医薬製剤である場合、CYCキャリアは、好ましくは、腸壁を通してのCYCポリマーの吸収を制限もしくは回避するのに十分な高いMnを持ち、および/または帯電もしくは架橋され、および/または生理学的条件下にて不溶性である。このことにより、腸壁を通してのポリマーの輸送が阻止されるか、または著しく低減される。CYCキャリアは、薬物の放出後、胃腸管を通り抜けて排泄される。CYCキャリアは、実質的に生理学的に不活性であることが好ましい。あるものは生崩壊性である。患者の体内にて非吸収性または実質的に非吸収性であるものもある。10,000超のMnを例とする高分子量のCYCポリマー、および帯電もしくは架橋したポリマー、または生理学的条件下にて不溶性であるポリマーは、細胞膜または腸壁を通してのポリマーの輸送を阻止するか、または著しく低減する。]
[0060] 様々な種類のCYCポリマー
CYCポリマーは、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。コポリマーである場合は、ランダムコポリマー、グラフトコポリマーもしくはブロックコポリマー(熱可塑性エラストマーを含む)、またはコアシェルポリマーであってよい。例えば、ポリマーは、
(a)これらの部分のすべてがランダムに分布した、1もしくは2種類以上の−Y(Rc)−部分、および1もしくは2種類以上の−Z(Rz)−部分を含んでよく;または、
(b)(i)1もしくは2つ以上の−Z(Rz)−部分から実質的に構成されるポリマーブロックと、(ii)1もしくは2種類以上の式−Y(Rc)−の繰り返しユニットを含み、および所望される場合は1もしくは2種類以上の式−Z(Rz)−の繰り返しユニットを含んでよいポリマーブロックと、を含むブロックコポリマーであってよく;または、
(c)(i)1もしくは2つ以上の−Y(Rc)−部分を含むかまたはこれから実質的に構成されるバックボーン、および各々が1もしくは2つ以上の−Z(Rz)−部分を含むかまたはこれから実質的に構成されるグラフトされた側鎖を含むポリマー、または(ii)1もしくは2つ以上の−Z(Rz)−部分を含むかまたはこれから実質的に構成されるバックボーン、および各々が1もしくは2つ以上の−Y(Rc)−部分を含むかまたはこれから実質的に構成されるグラフトされた側鎖を含むポリマー、を例とするグラフトポリマーであってよい。]
[0061] ある態様では、生崩壊性であるCYCキャリア(上記で定める)を用いることが好ましい。]
[0062] CYCキャリアは、実質的に生理学的に不活性であることが一般的に好ましい。]
[0063] YおよびZ部分
CYCポリマーのバックボーンは、いかなる種類のものであってもよい。−Y−部分(CYSCポリマーに存在し、所望される場合はECCポリマーに存在してもよい)および−Z−部分(ECCポリマーに存在し、所望される場合はCYSCポリマーに存在してもよい)は、互いに同一であっても異なっていてもよい。この−Y−部分および/または−Z−部分は、例えば、互いに共有結合によって直接、またはその他の元素もしくは元素の組み合わせを通して連結された炭素原子を含んでよく、繰り返しユニットは、互いに共有結合によって直接連結されていてよく、または、エステル(オルソエステルを含む)、アミド、エーテル、もしくはリン酸結合を例とする1つ以上の原子を含む連結ユニットを含んでいてもよい。例えば、CYCポリマーは、ポリアクリレート、ポリ‐アルキルアクリレート、ポリ‐フルオロアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキルメタクリレート、ポリ‐N‐アルキルメタクリルアミド、ポリ‐アルキルオキサゾリン、ポリ‐アルキルビニルエーテル、ポリ‐アルキル1,2‐エポキシド、ポリ‐アルキルグリシジルエーテル、ポリ‐ビニルエステル、ポリ‐アクリルアミド、ポリ‐メタクリルアミド、ポリ‐マレイミド、ポリ‐α‐オレフィン、ポリ‐p‐アルキルスチレン、ポリ‐アルキルビニルエーテル、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリシラン、ポリシロキサン、またはポリ(アルキルホスファゼン)、から実質的に構成されるセクションから実質的に構成されていても、またはこれらを含んでいてもよい。CYSCポリマーは、例えば、アクリル性、メタクリル性、オレフィン性、エポキシ、エステル、アミド、ビニル、またはケイ素含有モノマーを例とする適切なモノマーの付加重合によって直接得ることができる。ECCポリマーは、例えば、グリコール酸および乳酸などのモノマーの重合によって例えば得られるポリエステルの末端ユニットの修飾によって得ることができる。CYCポリマーおよびCYCポリマーを作製するための方法に関するさらなる詳細を以下に示す。]
[0064] ある態様では、CYCポリマーのバックボーンは、複数の生崩壊性結合を含む。そのようなCYCポリマーでは、複数の−Y−部分および/または−Z−部分は、例えば、以下の式、
−Dnd−Q−Ene− (Q1)
を有してよく、ここで、
Qは、−O−、−NH−、または−S−であり、
ndは、0または1であり、
neは、0または1であり、
Dは、−CO−であり、および
Eは、−CO−または−CO−O−である。]
[0065] 例えば、エーテル結合では、ndは0、neは0、およびQは−O−であり;エステル結合では、ndは1、neは0、Dは−CO−、およびQは−O−であり;無水結合では、ndは1、neは1、Dは−CO−、Eは−CO−、およびQは−O−であり;ならびに、カーボネート結合では、ndは0、neは1、E=−CO−O−、およびQは−O−である。その他の生分解性結合は、ポリオルソエステルに存在するものであり、以下の構造:
−C(OR1)(OR2)(OR3)−
を有し、ここで、R1、R2、およびR3のうちの2つは、ポリマーバックボーンの一部である。]
[0066] b部分
bは、結合、またはCy部分をポリマーバックボーン上の中間点もしくは末端部分へ連結する部分である。従って、bは、例えば、共有結合、または二価の有機部分(例:脂肪族、芳香族、もしくは混合脂肪族/芳香族部分)もしくは無機部分であってよい。b部分の例としては、エステル(すなわち、−CO.O−)、カルボニル、アミド、アミンオキシド、炭化水素(例えばフェニレン)、アミノ、エーテル、ポリオキシアルキレン、およびイオン塩結合(例えば、カルボキシアルキルアンモニウム、スルホニウム、またはホスホニウムイオン対)が挙げられる。]
[0067] Cy部分
特定のCYCキャリアにおけるCy部分(CYCキャリアの中間位置および/または末端位置からのペンダント鎖を提供する)は、同一であっても異なっていてもよい。Cy部分は、他のCy部分、例えば同一キャリア上の別の場所の、および/またはポリマー(CYCポリマーであってもそうでなくてもよい)であってよい別の化合物上の、および/または非ポリマー化合物上の他のCy部分、と相互作用を起こして結晶性を提供する能力を有するものである必要がある。Cy部分間の相互作用は、一般に、共有結合またはイオン結合を介するよりも、水素結合またはファンデルワールス力を介するものである。]
[0068] Cy部分は、いかなる種類のものであってもよく、例えば、アルキルを例とする脂肪族、または混合脂肪芳香族である。CYCキャリアは、以下で定める方法によってDSCで分析した場合に、CYC部分の結晶化の結果として少なくとも4J/gの融解熱および少なくとも0℃のTpを有するようなCy部分を含む。このような特性を有するCYSCポリマーのいくつかは公知であり、当業者によって側鎖結晶性ポリマー(SCCポリマーまたはSCCPと略される場合がある)と称されてきた。]
[0069] Cy部分は、互いに直接結合した、12〜50または16〜30個の炭素原子を例とする少なくとも8個または少なくとも12個の炭素原子の直鎖状炭素鎖を含む場合が多い。この部分は、一般的には分岐していないが、分岐がこの部分の結晶化能を阻害しない限りにおいて、分岐していてもよい。同様に、この部分は、無置換であっても、もしくは主としてフッ素原子のみによって置換されていてもよく、または、この部分の結晶化能を阻害しないその他の部分で置換されていてもよい。]
[0070] Cyは、例えば、12から50個、好ましくは12から22個、もしくは16から22個を例とする6から50個の実質的に直鎖状である炭素原子を含む部分であってよく、例えば、11〜49個のメチレン部分を例とする少なくとも11個のメチレン部分、および末端メチル部分を含む部分、または5から49個を例とする少なくとも5個の直鎖状であるパーフルオロもしくは実質的なパーフルオロメチレン部分、および末端パーフルオロメチル部分もしくは水素原子を含む部分である。適切なCy部分の具体的な例としては、C14、C16、C18、C20、C22、C30、C40、およびC50、特に14、16、18、20、22、30、40、および50個の炭素原子を含むn‐アルキル部分、および少なくとも8個の炭素原子を含む部分的もしくは完全にフッ素化されたn‐アルキル基、および類似の平均鎖長を有するCy部分の混合物が挙げられる。]
[0071] ポリオキシアルキレン部分を含むCy部分
いくつかの有用なCy部分は、ポリオキシエチレンを例とするポリオキシアルキレンユニットを含む。そのようなCy部分は、例えば、アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリレートから誘導することができ、ここで、アルコキシ基のアルキル部は、12から50個、好ましくは12から22個の炭素を含むアルキル基、特にn‐アルキル基が好ましく、ポリオキシアルキレンユニットは、5から100個を例とする2から100個、好ましくは5から60個のオキシアルキレンユニット、好ましくは2〜4個を例とする2〜20個のオキシアルキレンユニットを含むホモポリマー、ランダムコポリマー、またはブロックコポリマーである。そのようなモノマーの具体的な例としては、セチルポリエトキシル化メタクリレート、ステアリルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ベヘニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ラウリルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、コレステロールポリエトキシル化(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ポリオキシアルキレンユニットは、例えば上記の類似のアルキルおよびポリアルキレンオキシ基を有するヒドロキシポリアルキレンオキシアルキル(メタ)アクリレートとしてアルキル側鎖部へ結合させることができ、例えば、ヒドロキシポリエチレンオキシステアリルアクリレート(hydroxypolyethleneoxystearyl acrylate)、ヒドロキシポリエチレンオキシセチルメタクリレートなどである。]
[0072] CYCポリマー中の式−Y(b−Cy)−の部分はすべて同一であってよく、またはY、b、およびCyの1もしくは2つ以上が互いに異なっている複数の(すなわち2もしくは3つ以上の)異なる種類の部分が存在していてもよい。複数の異なる種類の−Y(b−Cy)−部分を含むCYCポリマーには、これらの異なる種類がポリマー全体を通してランダムに分布しているものがあり;ブロックコポリマーまたはグラフトコポリマーなど、これらの異なる種類がポリマーの少なくとも一部にて所望される非ランダムな形で分布しているものもある。例えば、ポリマーは、第一の式−Y(b−Cy)−の繰り返しユニットの1種類のみを含む少なくとも1つのポリマーブロック、および第二の式−Y(b−Cy)−の繰り返しユニットのみを含む第二のポリマーブロックを含んでよい。別の選択肢として、ポリマーは、ランダムに分布した複数の異なる−Y(b−Cy)−部分を含む1もしくは2つ以上のセクション、ならびに(i)1つもしくはその他の数の異なる−Y(b−Cy)−部分および/または第三の−Y(b−Cy)−部分の繰り返しユニットのみ、または(ii)第一、第二、および第三の部分の2もしくは3つ以上のランダムに分布した複数の異なる繰り返しユニット、を含む少なくとも1つのポリマーブロック、を含んでもよい。]
[0073] 2もしくは3つ以上の異なる−Y(b−Cy)−部分が存在する場合、Cy部分は、例えば、平均長さが6から50個の直鎖状炭素原子であってよく、この平均は、ポリマー中のすべてのCy部分(または、グラフトを含むブロックコポリマーの場合は、ブロック中のすべてのCy部分)のすべての長さを加算し、Cy部分の数で除算することによって算出される。この平均長さの精度は、例えば+/−5%を例とする+/−3〜10%であってよい。]
[0074] CYSCポリマーは、実質的に−Y(b−Cy)−部分から構成されていてよい。しかし、多くの有用なCYSCポリマーは、75%未満、または50%未満、例えば、1から75%、5から50%、15〜50%、15〜30%、または10から25%の−Y(b−Cy)−部分を含み、例えば、1%、3%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、または50%未満の−Y(b−Cy)−部分である。特に、−Y(b−Cy)−部分の含有量の下限では、結晶性を高めるために、Cy部分が、少なくとも18個の直鎖状炭素原子を含むことが好ましく、および/または−Y(b−Cy)−部分が、実質的に−Y(b−Cy)−部分から構成されるグラフト鎖もしくはブロックとして存在する。]
[0075] 上記で簡単に述べたように、CYCポリマーは、式(1)の繰り返しユニットおよび/または式(2)の末端ユニットに加えて、その他のユニットを含む場合が多い。上記で述べたように、このようなその他のユニットは、例えば、以下の式、
−Z(Rz)− (3)
で表すことができ、ここで、Zは、ポリマーバックボーンの一部を形成する部分であり、Rzは、Cy部分を含まない一価の部分を表す。式−Z(Rz)−の繰り返しユニットはすべて同一であってよく、またはZ、もしくはRz、もしくはZおよびRzの両方が互いに異なる複数の異なる種類の繰り返しユニットが存在していてもよい。式−Z(Rz)−の部分は、ポリマー全体を通してランダムに分布していてよく、またはポリマーの少なくとも一部分にて所望される非ランダムな形で分布していてもよい。Z(Rz)部分は、CYCポリマーの化学的およびその他の特性に寄与しており、その存在は本目的にとって有益であり得る。例えば、多くの有用なCYCポリマーは両親媒性を有しており、CYC部分が疎水性を、Z(Rz)部分が親水性を提供している。式(3)の繰り返しユニットの詳細な開示は、本明細書にて後で述べる。]
[0076] CYSCポリマーのその他の例は、長鎖n‐アルキルα‐オレフィンのアタクチック、シンジオタクチック、およびアイソタクチックポリマー(例:Tpがそれぞれ30℃および60℃である、C16オレフィンのアタクチックおよびアイソタクチックポリマー);n‐アルキルグリシジルエーテルのポリマー(例:C18アルキルグリシジルエーテルのポリマー);長鎖n‐アルキルビニルエーテルのポリマー(例:Tpが55℃であるC18アルキルビニルエーテルのポリマー);長鎖n‐アルキル‐α‐エポキシドのポリマー(例:Tpが60℃であるC18アルキルα‐エポキシドのポリマー);長鎖n‐アルキルオキサゾリンのポリマー(例:Tpが155℃であるC16アルキルオキサゾリンのポリマー);ヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレートを長鎖アルキルイソシアネートと反応させることによって得られるポリマー(例:ヒドロキシエチルアクリレートをC18またはC22アルキルイソシアネートと反応させることによって得られ、Tpがそれぞれ78℃および85℃であるポリマー);ならびに二官能イソシアネート、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレート、および長鎖脂肪アルコールを反応させることによって得られるポリマー(例:ヘキサメチレンジイソシアネート、2‐ヒドロキシエチルアクリレート、およびC18またはC22アルコールを反応させることによって得られるポリマー)、から実質的に構成させるかまたはこれらを含む。]
[0077] −Z(Rz)−部分
CYSCポリマーにおいて、−Z(Rz)−ユニットは、親水性を例とする所望される特性を持つCYSCポリマーを提供するようにRzを選択して、式(1)のCy含有部分を提供するモノマーと容易に共重合可能であるモノマーから誘導されることが多い。例えば、ZおよびYchはいずれも、アクリル酸もしくはメタクリル酸のエステルまたはその他の誘導体を例とするエチレン性二重結合を含むモノマーから誘導することができる。]
[0078] ECCポリマーは、−Z(Rz)−ユニットから成るバックボーンを有し、および所望される場合は式(1)のユニットを有していてよい。以下で詳細に述べるように、多くのECCポリマーにおいて、Z部分は、エステル結合を例とする生崩壊性結合を含んでいた。ECCポリマーにおいて、Rz部分は(CYSCポリマーにおけるその役割とは対照的に)、単に水素原子であってよく、またはポリマーの物理的もしくは化学的特性に寄与するために選択されるものではない(当然寄与する場合もあるが)その他の部分であってもよい。]
[0079] CYSCおよびECCポリマーのいずれにおいても、式−Z(Rz)−の繰り返しユニットは、同一であってよく、またはZ、もしくはRz、もしくはZおよびRzの両方が互いに異なる複数の異なる種類の繰り返しユニットが存在していてもよい。CYCポリマーが異なる繰り返しユニット(式(1)、もしくは式(2)、もしくは両方の)を含む場合、その繰り返しユニットは、ポリマー全体を通してランダムに分布していてよく、またはポリマーの少なくとも一部分にて所望される非ランダムな形で分布していてもよい。]
[0080] CYSCポリマーにおける−Z(Rz)−ユニット
CYSCポリマーにZ(Rz)部分が存在すると、一般に、Z(Rz)部分の割合および分布、ならびにZ(Rz)部分の性質に応じた程度にて、溶融温度が抑えられ、CYSCポリマーの結晶性が低下する。Z(Rz)部分は、CYSCポリマーの化学的およびその他の特性にも寄与しており、その存在は本目的にとって有益であり得る。例えば、多くの有用なCYSCポリマーは両親媒性を有しており、Cy含有部分が疎水性を、Rz部分が親水性を提供している。]
[0081] CYSCポリマーのZ(Rz)部分はいかなる種類のものであってもよく、例えば、アルキルを例とする脂肪族、または混合脂肪芳香族である。Z(Rz)部分は、これらが互いにおよびY(Rc)部分と結合するための適切ないずれの連結基を含んでいてもよい。例えば、このポリマーは、Z(Rz)部分、およびポリアクリレート、ポリ‐アルキル(メタ)アクリレート、ポリ‐N‐アルキルアクリルアミド、ポリ‐アルキルオキサゾリン、ポリ‐アルキルビニルエーテル、ポリ‐アルキル1,2‐エポキシド、ポリ‐アルキルグリシジルエーテル、ポリ‐ビニルエステル、ポリ‐アクリルアミド、ポリ‐メタクリルアミド、ポリ‐マレイミド、ポリ‐α‐オレフィン、ポリ‐p‐アルキルスチレン、ポリ‐アルキルビニルエーテル、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリシラン、ポリシロキサン、またはポリ(アルキルホスファゼン)であるセクションを含んでいてよい。]
[0082] Z(Rz)部分はすべてが同一であってよく、または、ブロックのうちの1つが実質的に1種類のZ(Rz)部分のみを含み、ブロックのうちの別の1つが実質的に別の1種類のZ(Rz)部分のみを含むブロックコポリマーの例のように、ランダムに分布した、および/もしくは所望される分布に配列された2もしくは3つ以上の異なるZ(Rz)部分が存在していてもよい。Z部分(2もしくは3つ以上の異なる種類のZ部分が存在する場合は、同一であっても異なっていてもよい)は、例えば、アクリル性、メタクリル性、オレフィン性、エポキシ、もしくはビニルモノマーを例とする適切なモノマーの付加重合および/または縮合重合から誘導することができる。]
[0083] ZおよびRz間の結合は、YおよびRc間の結合で述べたように、いかなる結合であってもよい。この結合は、加水分解に対して安定、不安定、または加水分解もしくは酵素による開裂に対して反応性であってよい。]
[0084] Z(Rz)部分を誘導することができる適切なモノマーは、所望されるRz部分を含んでいてよく、および/またはその一部もしくはすべてが重合の最中もしくは後にRz部分に変換されるRz前駆体部分を含んでいてもよい。適切なモノマーとしては、例えば、アルキル(例:2‐エチルヘキシル、ブチル、エチル、メチル)(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例:ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート)、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート(例:メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルメタクリレート)およびヒドロキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート(例:エチレンオキシユニットが4から50個であるヒドロキシポリオキシエチレンメタクリレートもしくはアクリレート)、その他の(メタ)アクリレート(例:グリシダルメタクリレート(glycidal methacrylate)、(アセトアセトキシ)エチルメタクリレート)、アクリルアミドおよびメタクリルアミド;スチレン;モノアクリル官能性ポリスチレン;アルキルビニルエーテルおよびアルキルビニルエステル;そして、これらのモノマーすべてにおいて、アルキル基は、Rc部分ではないアルキル基、例えば、12未満、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12個の炭素原子を含むnアルキル部分(例:ビニルラウレート)であり;ならびに、極性モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、t‐ブチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N‐イソプロピルアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、モノブチルフマレート、酢酸ビニル、N‐ビニルピロリドン、およびアミノ基を含むコモノマー、である。]
[0085] 特定の態様では、Rzは、ポリオキシエチレンを例とするポリオキシアルキレン部分を含んでよく、例えば、Z部分をRc部分ではない末端基に連結するポリオキシアルキレン部分である。]
[0086] CYSCポリマーのRz部分は、例えば、以下に列挙する化合物の一部を形成する官能基(これらの官能基の開示は、列挙する化合物の残部を形成する部分とは独立である)を含むがこれらに限定されない1もしくは2つ以上の所望される官能基を含んでよい。]
[0087] ある態様では、CYSCポリマーは、薬物またはその他の生物活性物質と共有結合を形成することができるZ(Rz)部分を含む。そのような態様では、ポリマーおよび放出物質間の共有結合の程度は、放出組成物の放出特性を決定する際の重要な因子である。]
[0088] ある態様では、CYSCポリマーは、例えば膜を通してもしくは細胞内へ、または粘膜層を通して放出組成物を生物系へと運搬する補助となる官能基、または、放出物質を送達するための組成物の接着の補助となる官能基を含む。例えば、組成物は、粘膜接着部位(mucoadhesives sites)、皮膚接着体(dermal adhesives)、または、例えばPEG基もしくはペグ化基を持つポリオキシアルキレンビニルモノマーを例とする、生体利用度を高めて免疫原性を低減する高分子量分子を含むことができる。CYCポリマーのこのようなペグ化基の導入は、通常、コモノマーを介して誘導される。]
[0089] ある態様では、CYSCポリマーは、イオン性ビニルモノマーから誘導されるユニットを例とするイオン性基を含むユニットを有する。イオン性基は、ポリマー製剤の安定化の補助、または体液中での製剤の解離の補助を行うことができる。例えば、カルボキシレート官能基を含むCYSCポリマーは、胃の酸性環境下にて薬物の放出を低下もしくは遮断することができるが、小腸のアルカリ性環境下では膨潤することができ、それによって小腸(upper intestine)内で薬物が放出される。他の態様は、例えば、同一のCYSCポリマーの一部として一緒に取り込まれても、または薬物と混合される別々のCYSCポリマー中に存在してもよいペグ化モノマー、または酸性またはその他の非イオン性もしくはイオン性モノマーをそれぞれ利用することができる。薬物の投与経路は、多くの場合、CYSCポリマー中のイオン性または水素結合性基の望ましい数を決定する際の因子である。例えば、低分子量のタンパク質またはポリペプチドをCYCポリマーと混合して安定な薬物製剤を作製し、続いてこれを経口投与することができる。タンパク質単独で経口投与された場合、胃の強酸性環境に曝露されると破壊されることがある。CYCポリマーと混合すると、タンパク質は分解から保護される。別の選択肢として、トランスフェリンなどの酸安定性成分を添加してもよい。特定の態様では、タンパク質は、デオキシコール酸、ヒドロキシプロピル‐g‐シクロデキストリン、コール酸などを例とする有機酸などの吸収促進成分と複合体形成してよい。いくつかのCYSCポリマーでは、Z(Rz)部分は、放出組成物の物理的表面特性を高めることもできる。例えば、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレートユニットは、チューブ、カテーテル、プローブ、およびその他の医療装置に対して有益な滑り性(slip)または親水性を提供することができる。ある態様では、Z(Rz)部分は、薬物の持続的な放出または送達を補助することもできる。]
[0090] CYSCポリマーの有用なRz部分としては、以下のものが挙げられる:
(1)窒素含有側鎖、例えば以下に列挙するモノマーおよび特定のモノマーの群の重合から得られる部分。識別されたRz部分および/またはそれが持つ官能基は、その他のモノマー:N,N‐ジアルキルアミノ(特にジメチルアミノ)(メタ)アクリレート;アンモニウム塩含有(メタ)アクリレート、例えば、2‐トリメチルアンモニウムメチルメタクリレートクロリド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、N,N‐(ジエチルもしくはジメチル)アミノエチル(メタ)アクリレートメトサルフェート;N‐ビニルピロリドン;無水マレイン酸または無水イタコン酸と一級アミンとの閉環反応生成物などのイミド;2‐メタクリロキシ‐N‐エチルモルホリン;n‐もしくはt‐ブチルアクリルアミド;(メタ)アクルアミド;ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド;2‐t‐ブチルアミノエチルメタクリレート;(メタ)アクリロニトリル;t‐ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート;アクリロイルモルホリン;N‐(2‐ヒドロキシエチル)アセタミド;1‐ピペリジノエチル(メタ)アクリレート;および、アルキルアミン含有側鎖含有モノマーを酸化剤と反応させて前駆体アルキルアミンのアミンオキシドを得ることによって得られるアミンオキシド含有モノマー、を用いて得ることもできることに留意されたい。]
[0091] 特定の具体的な態様では、本発明の製剤は、N‐ビニルピロリジノンから誘導されたRz側鎖を特に除外する。]
[0092] (2)酸素含有側鎖、例えば、カルボキシルおよびスルホン酸含有モノマーならびにこれらの塩を含む以下に列挙するモノマーおよび特定のモノマーの群の重合から得られる部分。識別されたRz部分および/またはそれが持つ官能基は、その他のモノマー:アクリル酸、メタクリル酸;無水イタコン酸;イタコン酸;無水マレイン酸;マレイン酸;フマル酸;フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、および2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸(「AMP」)のモノエステルならびにモノアミド;ビニルスルホン酸;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、特にヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、およびヒドロキシブチル)(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;グリシジルメタクリレート;アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、例えばメトキシエチル(メタ)アクリレート;ヒドロキシカプロラクトンアクリレート;1‐アクリロキシ‐2‐ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロパン;メチロールメタクリレート;エトキシエチル(メタ)アクリレート;2‐(2‐エトキシエトキシ)エチルアクリレート;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート;(メタ)アクロレイン;アルコキシまたはヒドロキシル(ポリオキシアルキレン)アルキル(メタ)アクリレート、例えば、エチレンオキシユニットのモル数が2から80、好ましくは6から50であるものを例とするメトキシまたはヒドロキシポリオキシエチレン(メタ)アクリレート;アルコキシまたはヒドロキシポリオキシプロピレン‐ポリオキシエチレンアルキル(メタ)アクリレート、例えば、各オキシエチレンおよびオキシプロピレンユニットのブロックが1/1から1/3の比率で存在し、ここで、各ブロックにおけるオキシアルキレンユニットの量が5から100ユニット、好ましくは5から60ユニットであるもの、を用いて得ることもできることに留意されたい。]
[0093] (3)フッ素含有側鎖、例えば、以下に列挙するモノマーおよび特定のモノマーの群の重合から得られる部分。識別されたRz部分および/またはそれが持つ官能基は、その他のモノマー:トリフルオロエチル(メタ)アクリレート;ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート;オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート;エイコサフルオロウンデシル(メタ)アクリレート;ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート;およびテトラヒドロパーフルオロデシル(メタ)アクリレート、を用いて得ることもできることに留意されたい。]
[0094] (4)リン含有側鎖、例えば、以下に列挙するモノマーおよび類似のモノマーの重合から得られる部分。識別されたRz部分および/またはそれが持つ官能基は、その他のモノマー:2‐メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン;2‐アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン;およびステアリルフマロイルエチルホスホリルコリン、を用いて得ることもできることに留意されたい。]
[0095] (5)ケイ素含有側鎖、例えば、以下に列挙するモノマーおよび具体的なモノマーの群の重合から得られる部分。識別されたRz部分および/またはそれが持つ官能基は、その他のモノマー:シリルモノマー、例えば、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、3‐アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、および3‐アクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、モノメタクリロキシモノトリメチルシロキシ末端ポリエチレンオキシド、アルキル基が1〜8個の炭素原子、好ましくは1もしくは4個の炭素原子を含むモノメタクリロキシプロピルアルキルポリジメチルシロキサン、ならびに例えばGelestよりMCR−M17およびMCR−M11として市販されている類似の物質など、を用いて得ることもできることに留意されたい。]
[0096] (6)標的細胞上、例えば癌性細胞上、で差異的に過剰発現される受容体タンパク質を例とする標的受容体部位と結合するリガンド群。リガンドは、CYCポリマーの一部であるだけでなく、物理的に混合されていてもよい。リガンドは、下記にて詳細に考察する。]
[0097] CYSCポリマーには、少なくともいくつかのRz部分が親水性であるZ(Rz)部分を含むものがあり、従ってこのCYCポリマーは、疎水性および親水性の両方を有する両親媒性コポリマーである。そのような両親媒性ポリマーを含む製剤は、水中にて、例えば疎水性コア内に疎水性薬物を含むミセルまたはエマルジョンまたはリポソームを形成することができる。多くの場合、ポリオキシエチレンオキシドユニットを含めることにより(「ペグ化」)親水性を有するCYSCポリマーを提供することが好都合である。]
[0098] CYSCポリマーの中には、すべてのRz部分が疎水性であるZ(Rz)部分を含むものもあり、その場合、CYSCポリマーは、疎水性のみを有するコポリマーである。]
[0099] 一般に、CYSCポリマーのZ(Rz)部分の含有量は、ポリマーの重量に基づいて、95%未満、一般的には70%未満、例えば、5から25%を例とする50%未満である(例:約5、7、10、15、17、20、23、または25%)。]
[0100] 架橋CYSCポリマーおよびCYSCポリマーゲル
CYCポリマーは、一般的には架橋していない。しかし、架橋CYSCポリマーが所望される場合は、モノマー混合物は、適切な架橋性モノマーまたは架橋性反応物を含んでよく、これらは、プロセスの間の適切な時点で添加することができ、例えば、(a)ポリマーを所望される形状に作製し、その後放出物質を添加する場合、または(B)非架橋ポリマーを作製してこのポリマーを放出物質と混合し、次に架橋剤を添加してこの混合物を特定の形状に固定させる場合である。]
[0101] ゲルおよびヒドロゲルは、架橋CYSCポリマーを含んでよい。さらに、ある態様では、この組成物は、架橋CYSCポリマーを含み、架橋ポリマーは、Tpを上回る温度を例とする溶融または膨潤を引き起こしたであろう条件下であっても少なくとも部分的にその形状を維持することから、対応する非架橋ポリマーよりも放出化合物をより長く保持する傾向にある。ある態様では、溶融温度を超える温度にて流動し得ないように架橋させたまたは支持体上に固定したCYSCポリマーを特に除外する。ある態様では、CYSCポリマーはゲル構造を有する。ゲル構造は、CYSCポリマーの作製に用いられるモノマー混合物中に架橋性多官能モノマーを含有させることによって提供することができる。そのようなモノマーは乳化重合において最適に用いられ、これは、他の種類の重合では、モノマーが扱いが困難である粘度となり得るからである。典型的な架橋性モノマーは、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、へキサンジオールジアクリレートなどである。これらの架橋性モノマーは、一般に、僅かに少量で用いられ、例えば、0.1%から5%または0.2%から2%など、0.5%未満または1%未満である。]
[0102] ヒドロゲルは疎水性であっても両親媒性であってもよく、およびイオン性であっても非イオン性であってもよい。非イオン性ヒドロゲルは、水を吸収して膨潤する。アニオン性であってもカチオン性であってもよいイオン性ヒドロゲルは、pHの変化によって種々の度合いでの膨潤を起こし得る。アルカリ性のpHでは、アニオン性ゲルの膨潤が引き起こされ(カルボキシルなどのイオン性基が高pHにてイオン化されるため)、一方低pHではカチオン性ゲルの膨潤が引き起こされる。これらの事実を、所望される場合はTp近辺の温度変化に対するCYSCキャリアの反応と組み合わせて用いて、放出物質の放出を制御することができ、所望される場所で放出物質を放出する組成物、特に医薬製剤を作製するための強力なツールを提供することができる。]
[0103] 1つの態様では、アクリル酸から誘導されたユニットを含むpH感受性ヒドロゲルは、タンパク質のローディングを促進し、胃の中ではタンパク質を保護するが、小腸では膨潤してタンパク質を放出し、ここでは、アルカリ性環境がアクリル酸から誘導されたユニットとの相互作用によってヒドロゲルの水和および膨潤を引き起こす。ヒドロゲルは膜のように作用し、それによって通常の「バースト効果」を阻止してタンパク質の徐放を可能とすることから、ヒドロゲルの膨潤によって薬物の放出を調節することができる。]
[0104] 別の態様では、固体粉末状ヒドロゲルを、固体粉末状の薬物またはその他の放出物質と混合し、次に水和させて投与する。]
[0105] 別の態様では、N‐イソ‐プロピルアクリルアミドコモノマーから誘導されるユニットを(−Y(b−Cy)−ユニットに加えて)、単独でまたはアクリル酸および/もしくはメタクリル酸から誘導されるユニットと組み合わせて含むCYSCポリマーは、疎水性または親水性放出物質と(疎水性部および親水性部のパーセントに応じて)会合することができる両親媒性ヒドロゲルを形成することができる。]
[0106] 別の態様では、CYSCポリマーは、Cy含有モノマーを含むモノマー成分、およびヒドロキシエチルメタクリレートを例とする中性親水性コモノマーを、エチレングリコールジメタクリレートを例とする少量の架橋剤と共に重合することによって作製される非イオン性ヒドロゲルの形態である。本態様の変形では、ポリオキシエチレングリコールメタクリレート(polyoxyethlene glycol methacrylate)モノマーが含有され、それによって、ゲル構造が増加し、医薬製剤に抗血栓特性(antithrombogenic properties)の可能性が付与される。このポリマーも両親媒性ポリマーである。従って、親水性もしくは疎水性のいずれかまたはその両方である放出物質との適合性を有し得る。]
[0107] 別の態様では、CYSCポリマーは、Cy含有モノマー、アクリルアミド、およびt‐ブチルアクリルアミドを、少量のメチレンビスアクリルアミドと共に重合することによって作製される中性ヒドロゲルの形態である。そのようなヒドロゲルは、親水性または疎水性の放出物質と会合することができる。]
[0108] 別の態様では、CYSCポリマーは、Cy含有モノマー、アクリル酸、およびブロックポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンのアクリル酸またはメタクリル酸エステルを重合することによって作製されるヒドロゲルの形態である。得られた両親媒性ポリマーは、オキシアルキレンエステルのブロック構造に応じて、様々な量の親水性もしくは疎水性のいずれかまたはその両方である放出物質を吸収する。これらの放出物質は、オキシアルキレンエステルの疎水性/親水性バランスおよびSCCモノマーからの疎水性に応じて、徐々に放出することができる。]
[0109] 別の態様では、CYSCポリマーおよび薬物は、投与前は低粘度であるが、体内へ注入されて別のpHに曝露されるとヒドロゲルを形成する溶液として製剤され、このヒドロゲルは、CYSCポリマーの疎水性および親水性に応じて薬物を放出するためのin‐situゲルリザーバー(in−situ gel reservoir)を提供する。]
[0110] エマルジョンの形態のCYCポリマー
ある態様では、CYCポリマーは、エマルジョンの形態である。エマルジョンの粒子の平均サイズ(そして、好ましくは実質的にすべての粒子の最大サイズ)は、800nm未満または500nm未満を例とする1200nm未満が好ましく、例えば、200nm未満または100nm(0.1μ)未満である。多くの態様では、エマルジョン粒子のサイズは、50〜200nm、または50〜500nm、または100〜1000nmである。そのようなエマルジョンのいくつかは、その開示内容全体があらゆる点で参照することで本明細書に組み入れられる米国特許第6,199,318号および第6,540,984号に記載の技術を用いて作製することができる。エマルジョンは、例えば、一般的には静脈内注射用であるが、ある態様では筋肉内またはその他の組織への注射用である組成物に対して有用である。一般には、注射用エマルジョン粒子は、直径が800nm未満であるか、または20μ未満、10μ未満、または1μ未満のサイズであってよい。]
[0111] CYCキャリアの混合物
単一のCYCキャリアを用いてもCYCキャリアの混合物を用いてもよい。CYCキャリアの混合物は、CYC集合体を提供することができる。1もしくは複数のCYCキャリアは、追加の物質、例えばCYCポリマーではないポリマーと混合してもよい。この追加の物質は、CYC集合体を形成することができる。そのような追加の物質の例としては、主鎖結晶性ポリマーおよび生崩壊性ポリエステルが挙げられる。そのようなその他のポリマー、特にECCポリマーと組み合わせて用いるためのものの具体的な例としては、ポリ(イプシロン‐カプロラクトン(PCL)、ポリ(ジオキサノン)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリヒドロキシバリレート(PHV)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、3‐ヒドロキシプロピオン酸からのポリエステル、メチレンカーボネートから誘導されるポリマー、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、糖、加水分解デンプン、ヒアルロナン(ヒアルロン酸もしくはヒアルロネートとも称される)、キタン(chitan)、キトサン、およびアルキルポリラクチドなどの天然ポリマーまたはその加水分解もしくは分解生成物であり、その開示事項があらゆる点で参照することで本明細書に組み入れられる国際公開第2007/0142461号(Baker et al.)、米国特許第6,469,133号、米国特許出願公開第20070142461号および第20010044514号に記載のものを含む。]
[0112] 特定のCYCポリマーまたはCYCポリマーの混合物、および所望される場合は存在してもよい1もしくは2つ以上の追加のポリマーの選択の基準は、以下でさらに考察するように、放出物質ならびにその所望されるローディングおよび/または放出に依存する。本発明のある態様は、実質的に異なるTp、例えば、互いに少なくとも2℃、または少なくとも4℃、または少なくとも6℃、または少なくとも8℃、または少なくとも10℃異なるTp、を有する2もしくは3つ以上のCYCポリマーの混合物を含む組成物を利用する。例えば、組成物は、約37℃で溶融する1もしくは2つ以上のCYCポリマー、および約39℃で溶融する1もしくは2つ以上の他のCYCポリマー、および/または約41℃で溶融する1もしくは2つ以上のその他のポリマーを含んでよい。他の態様は、薬物‐ポリマー対のpKaまたはpKbで定められる様々なイオン強度で結合された放出物質を持つCYCポリマーの混合物を利用する。]
[0113] CYSCアクリレートポリマー
本発明のある態様は、ポリ(メタ)アクリレートを例とするポリアクリレートであるCYSCポリマーを利用する。ポリ(メタ)アクリレートにおいて、Ych部分、および存在する場合は一般にZ部分は、以下の式を有する。]
[0114] このようなポリマーは、n‐アルキル(メタ)アクリレートから誘導されるユニットを含み、ここでn‐アルキル基は少なくとも16個、例えば16〜50個、例えば18〜22個、の炭素原子を含む。]
[0115] 例えば、1つの態様では、CYSCポリマーは、(1)n‐アルキル基が16〜30個の炭素原子を含む少なくとも1つのn‐アルキルアクリレートまたはn‐アルキルメタクリレートから誘導されるユニットから実質的に構成されるポリマー、ならびに(2)n‐アルキル基が16〜30個の炭素原子を含む少なくとも1つのn‐アルキルアクリレートまたはn‐アルキルメタクリレートから誘導されるユニットと、カルボキシル、ヒドロキシル、アルコキシポリアルキレン、ヒドロキシポリアルキレン、およびアミノ部分から成る群より選択される1もしくは2つ以上の官能部分を含む少なくとも1つのアクリレートまたはメタクリレートコモノマーから誘導されるユニットとから実質的に構成されるポリマー、から成る群より選択される1もしくは2つ以上のポリマーを含む。]
[0116] その他のアクリレートポリマーは、n‐アルキルラジカルの平均がC30またはC40またはC50の炭素原子である、Baker Petroliteより市販のUnilinアルコールを例とする非常に長鎖である脂肪アルコールの混合物を修飾することによって得られる(メタ)アクリレートモノマーから誘導されるユニットを含む。このようなアクリレートポリマーは、それぞれ、約80、90、または100℃のTpを有し得る。その他のアクリレートポリマーとしては、長鎖n‐アルキルオキシカルボニルアミド‐エチルメタクリレートのポリマー(例:それぞれTpが56℃、75℃、および79℃である、C18IEMA、C22 IEMA、およびC30 IEMAのポリマー);ならびに、中程度の長さの鎖および長鎖のn‐フルオロアルキルアクリレートのポリマー(例:それぞれTpが74℃および88℃である、C8ヘキサデカフルオロアルキルアクリレートのポリマーおよびC8〜12アルキルフルオロアクリレートの混合物のポリマー)が挙げられる。]
[0117] その他のCYSCポリマー
その他のCYSCポリマーとしては、例えば以下で述べるように、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルオキサゾリン、およびポリジオキサノンが挙げられる。]
[0118] CYSCポリカーボネート
側鎖結晶性ジメチロールプロピオン酸ポリカーボネート:
水分散性ポリウレタンに用いられる市販品として、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)をポリオール酸として用いる。この酸がカルボン酸位にて結晶性脂肪アルコール、例えばステアリルアルコールと反応する場合、この結晶性ジオールエステルが、次にジメチルカーボネートと反応して結晶性トリメチレンカーボネート類似体を得ることができ、これが異なるモル比でトリメチレンカーボネートと反応して側鎖結晶性ポリカーボネートが得られる。]
[0119] この側鎖結晶性ポリカーボネートは、タンパク質またはペプチドを例とする水感受性薬物を体内での貯蔵中に分解から保護する高レベルの疎水性アルキル側鎖を提供し、同時に、投与されると、ポリマー薬物マトリックスから薬物を生崩壊、および溶解させる。]
[0120] 1)グリセリンカーボネートからの側鎖結晶性ポリカーボネート:
グリセリンカーボネートは、遊離のヒドロキシル基を持つ興味深い中間体である。このヒドロキシル基をステアロイル無水物と反応させてエチレンカーボネートメチレン結晶性脂肪エステルを得ることができる。1,3‐プロパンジオールを例とするいずれかのジオールとこの中間体との反応により、結晶性脂肪エステルメチレンポリカーボネートジオールが得られる:]
[0121] 2)モノグリセリド、ジメチルカーボネート、および乳酸/グリコール酸からの側鎖結晶性ポリカーボネート:
ステアリン酸を例とする結晶性脂肪酸によるグリセリンのモノエステル化によって得られるモノグリセリドから、少なくとも2モルもしくはそれ以上の、乳酸、グリコール酸、および3‐ヒドロキシプロピオン酸のいずれかの組み合わせと反応することができる結晶性脂肪モノグリセリドが得られ、そして、このポリマージオールをジメチルカーボネートと反応させて、単純な側鎖結晶性ポリカーボネートを得ることができる。]
[0122] CYSCポリエステル:
a.側鎖結晶性リンゴ酸、クエン酸、または酒石酸ポリエステル:
これらの酸、リンゴ酸、酒石酸、またはクエン酸は、1もしくは2個以上のヒドロキシ基を有する。これらのヒドロキシ基の1つを結晶性脂肪酸でエステル化することにより、ポリカルボン酸結晶性脂肪エステルを得ることができ、次にこれを1,3‐プロパンジオールを例とする単純なジオールと反応させて、側鎖結晶性ポリエステルを得ることができ、これは、ポリオール、トリメチロールプロパンを脂肪酸と、続いてポリカルボン酸と反応させてペンダント脂肪酸エステル基を有するポリエステルバックボーンを得る公知の反応と類似している。このような種類のポリエステルは、工業的なコーティング産業で用いられている:]
[0123] b.側鎖結晶性リンゴ酸または酒石酸PLGAポリエステル:
酒石酸は、量が多いと実は毒性であることから、食品には少量しか用いることができない。しかしながら、酒石酸塩としての酒石酸は、酸味のある甘味製品に用いられることが多い。薬物送達装置に少量使用することは可能である。例えば、二酸である酒石酸は2つのヒドロキシル基を持っており、各々のカルボン酸基に隣接している。リンゴ酸は、2つのカルボン酸基の1つに隣接する1つのヒドロキシル基を持つ。酒石酸またはリンゴ酸を、ステアリン酸を例とする結晶性脂肪酸でエステル化する場合、結晶性脂肪修飾ポリカルボン酸が作製され、これを、a)のように、単純なジオール、1,3‐プロパンジオールと反応させて、側鎖結晶性ポリエステルを得ることができる。]
[0124] 一方、酒石酸またはリンゴ酸の酸基のうちの1つを結晶性脂肪アルコールでエステル化する場合、結晶性脂肪エステルヒドロキシル酸が作製される。次にこの生成物をステアリン酸またはステアリルアルコールなどと反応させて、末端ユニットに1もしくは2つのCy部分を付加することができる。次にこの生成物を乳酸およびグリコール酸と反応させて、側鎖結晶性PLGAを得ることができる:]
[0125] c.グリシドール、結晶性脂肪酸、および多塩基酸からのポリエステル:
エポキシモノアルコールであるグリシドールを、結晶性脂肪酸および無水コハク酸を例とするポリカルボン酸の存在下にて、単一反応容器シーケンス(one reaction vessel sequence)で反応させて、側鎖結晶性ポリエステルを得ることができる:]
[0126] または、DMPA脂肪結晶性アルコールエステルを、無水コハク酸を例とする単純な二カルボン酸(もしくは前駆体)と反応させることにより、側鎖結晶性ポリエステルを得ることができる:]
[0127] A.生崩壊性側鎖結晶性オキサゾリン:
Angus(Dow)より市販されており、生崩壊性が不可欠である多くの医療用途に用いられるアミノポリオール、TrisAminoを、ステアリン酸を例とする脂肪酸とまず混合し、反応させることで、加熱によって環化して結晶性脂肪オキサゾリンポリオールとなる脂肪アミドポリオールを得ることができる。このポリオールは、二塩基酸(または多塩基酸)と、この場合は二塩基酸前駆体である無水コハク酸と容易に反応して、側鎖結晶性および生崩壊性ポリエステル‐オキサゾリンが得られる:]
[0128] オキサゾリン部分は、ある種類の薬物と混合して均一で適合性のある薬物とポリマーの混合物を確保し、再現性があり一貫した薬物送達の結果を低バーストプロファイルで提供するために所望される場合がある。]
[0129] B.結晶性アルキルジオキサノン:
p‐ジオキサノンは、グリコールをグリコール酸で環化してp‐ジオキサノンを得ることことによって作製することができることが公知である。この中間体を単純なジオール、例えば1,3‐プロパンジオールまたはヘキサンジオールと反応させると、このジオールと1,4‐ジオキサン‐2‐オンとのコポリマーが形成される。さらに、1,4‐ジオキサン‐2‐オンを触媒と共に加熱することによってホモポリマーも得られる。長鎖結晶性アルファ‐オレフィンオキシドを用い、このオレフィンオキシドを加水分解して結晶性長鎖1,2‐ジヒドロキシアルカンとする場合、結晶性置換p‐ジオキサノンが合成される。この結晶性ジオキサノンを重合すると、側鎖結晶性ポリジオキサノンが得られる:]
[0130] ECCポリマー
1つの態様では、ECCポリマーは、以下の式、
−Qx(−b−Cy)q (Q2)
を持つ少なくとも1つの部分を有し、
ここで、Qxは、少なくとも(q+1)の結合価を有する部分であり、qは、少なくとも2、例えば2、3、4、または5であり、bおよびCyは、上記で定める通りである。ECCポリマーは、このような部分を例えば2、3、または4つ有していてよく、これらは同一であっても異なっていてもよい。ECCは、所望される場合は、以下の特徴の1もしくは2つ以上を有していてよい:
(1)分子量が、3,000〜10,000または3,000〜8,000を例とする3,000〜20,000である;
(2)ポリマーのバックボーンが、実質的に炭素原子から構成され、例えばポリアクリレートである;
(3)ポリマーのバックボーンが、生崩壊性結合を含み、例えば、PGLAである;
(4)(Tp−To)の値が、Tp0.6未満を例とするTp0.7未満、または5℃未満である;
(5)Cy部分を含むユニットのモルパーセントが、20%未満もしくは10%未満を例とする30%未満であり、および/または2%超もしくは4%超を例とする1%超である。]
[0131] 1つの態様では、ECCポリマーは、上記で定める以下の式、
−Dnd−Q−Ene− (Q1)
を持つ結合を例とする生崩壊性結合を含むバックボーンを有し、および、所望される場合は、以下の特徴の少なくとも1つ以上を有していてよい:
(1)分子量が、8,000未満、もしくは7,000未満、もしくは5,000未満を例とする10,000未満であり、および/または分子量が、800超もしくは1000超を例とする600超である;
(2)CYC部分を含む部分のモルパーセントが、20%未満もしくは10%未満を例とする30%未満であり、および/または2%超もしくは4%超を例とする1%超である; ならびに、
(3)ポリマーのバックボーンを形成する繰り返しユニットの少なくとも70モル%もしくは少なくとも80モル%を例とする少なくとも50モルパーセント、例えば実質的にすべてがCy部分を含まない。]
[0132] 1つの態様では、ECCポリマーは、(i)以下の式、
−O−CO−O−
を持つ生崩壊性結合、(ii)メチレン部分、および(iii)置換基がb−Cy部分である置換メチレン部分、を含むバックボーンを有し、このポリマーは、所望される場合は、以下の特徴の少なくとも1つを有していてよい:
(1)分子量が、15,000未満、または10,000未満、または8,000未満、または5,000未満を例とする20,000未満である;
(2)Cy部分を含むユニットのモルパーセントが、20%未満もしくは10%未満を例とする30%未満であり、および/または2%超もしくは4%超を例とする1%超である;
(3)18〜22個を例とする16〜30個の炭素原子を含有するn‐アルキル部分を含むCy部分を有する;
(4)(Tp−To)の値が、Tp0.6未満を例とするTp0.7未満、または5℃未満である;
(5)融解熱が、3〜30、または3〜22、または3〜10を例とする3〜50J/gである;ならびに、
(6)ポリマーのバックボーンを形成する繰り返しユニットの少なくとも70モル%もしくは少なくとも80モル%を例とする少なくとも50モルパーセントがCYC部分を含まない。]
[0133] 1つの態様では、ECCポリマーは、以下の式、
−Ralkylene−CO−O−
を持つ繰り返しユニットを含み、
ここで、Ralkyleneは、−(CH2)2−もしくは−CH(CH3)−CH2−を例とする置換または無置換の、直鎖状または分岐鎖状のアルキレンラジカルであり;
CYCポリマーは、所望される場合は、以下の特徴の1もしくは2つ以上を有していてよい:
(1)分子量が、8,000未満、もしくは7,000未満、もしくは5,000未満を例とする10,000未満であり、および/または分子量が、1500超を例とする500超もしくは1000超であり、例えば2000〜5000である;
(2)CYC部分を含むユニットのモルパーセントが、20%未満もしくは10%未満を例とする30%未満であり、および/または2%超もしくは4%超を例とする1%超である;
(3)(Tp−To)の値が、Tp0.6未満を例とするTp0.7未満、または5℃未満である;
(4)Ralkylene部分が繰り返しユニット内のRalkylene部分と同一であっても異なっていてもよい以下の式(J)〜(L)の1もしくは2つ以上を有する末端ユニット内に、少なくともいくつかのCYC部分が存在し、
(J)−Ralkylene−CO−O−Cy
(K)−O−CO−Ralkylene−CO−O−Cy
(L)−O−CO−Ralkylene−CO−O−Yterm−Rpbalc−O−Cy
ここで、Rpbalcは、ポリオールの残基であり、例えば以下の式、

を有する;
(5)CYCポリマーは、複数のポリアルキレンエーテルユニットを含み、例えば、以下の式、
HO−(CH2−CH2−O−)npeg
を有する末端ポリマーブロックであり、
ここで、npegは、6〜100を例とする2〜150である;
(6)CYC部分の少なくともいくつかが、上記式(1)の繰り返しユニット内に存在し、例えば、以下の式を有する繰り返しユニットであり、

ここで、Rpbalcは、ポリエチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、グリセリン、またはソルビトールを例とするポリオールの残基であり、所望される場合は、2もしくは3つ以上のCYC部分を含んでよい;
(7)以下の式を有する繰り返しユニット、
−Ralkylene1−CO−O−
および、以下の式を有する繰り返しユニット、
−Ralkylene2−CO−O−
を含み、
ここで、−Ralkylene1−は、−Ralkylene2−と異なり、例えば、一方は−(CH2)2−であり、他方は−CH(CH3)−CH2−であり、ならびに、
(7a)−Ralkylene1−CO−O−および−Ralkylene2−CO−O−のうちの少なくとも1つが、それぞれ、以下の式、
(−Ralkylene1−CO−O−)N、もしくは、
(−Ralkylene2−CO−O−)N
を有する部分の形態でのみ存在し、ここで、Nは、(1+X)と等しく、ここで、Xは、ゼロもしくは偶数の整数である、または、
(7b)ユニットの少なくともいくつかが環状二量体から誘導されるものではない、または、
(7c)−Ralkylene1−CO−O−および−Ralkylene2−CO−O−のうちの少なくとも1つが、それぞれ、以下の式、
(−Ralkylene1−CO−O−)2、もしくは、
(−Ralkylene2−CO−O−)2
を有する部分としてだけは存在しない;
(8)融解熱が、3〜30、または3〜22、または3〜10を例とする3〜50J/gである;
(9)生物活性である物質、および/または薬物製剤、パーソナルケア用組成物、または植物、種子、もしくは土壌へ適用するための組成物の成分として公知である物質も含有する組成物の一部である;ならびに、
(10)ポリマーのバックボーンを形成する繰り返しユニットの少なくとも70モル%もしくは少なくとも80モル%を例とする少なくとも50モルパーセントがCYC部分を含まない。]
[0134] 本発明に用いられる好ましいECCポリマーは、
(A)複数のポリマー分子を含み、その各々は、
(i)以下の式、
−CF1F2−CO−O− (ECC1)
を有する複数の繰り返しユニットを含むポリマーバックボーンであって、
ここで、
F1は水素であり、F2は水素またはメチルであり、繰り返しユニットは同一であっても異なっていてもよい、ポリマーバックボーン、および、
(ii)以下の式、
−b−Cy (ECC2)
を有する少なくとも1つの末端ユニットであって、
ここで、
Cyは、18〜24個の炭素原子を含むn‐アルキル部分であり、bは、結合、もしくは少なくとも2の結合価を有し、Cy部分をポリマーバックボーンへ連結し、所望される場合は1もしくは2つ以上の追加のCy部分を含んでいてもよい部分である、少なくとも1つの末端ユニット、
から実質的に構成され、
(B)少なくとも40℃であるTp、(Tp−To)の値がTp0.7未満であるTo、および、少なくとも5J/gであるΔHを有し、
(C)10,000未満のMnを有する。]
[0135] 2つ以上の式(2)の末端ユニット、および/または、1もしくは2つ以上の式(2)の末端ユニット中の合計で2、3、4、もしくは5つのCy部分を例とする2もしくは3つ以上のCy部分を持つ末端ユニット、を含むようなECCポリマーでは、bおよびCyの一方または両方が、異なる末端ユニット中にて同一であっても異なっていてもよく、および2つ以上のCy部分を含む末端ユニットでは、Cy部分は同一であっても異なっていてもよい。ECCポリマーは、所望される場合は、式(ECC1)および(ECC2)のユニットに加えて、異なる式を有する繰り返しユニットおよび/または末端ユニットを含んでよい。例えば、繰り返しユニットは、乳酸およびグリコール酸の混合物から誘導することができ、ポリマーは、各々が少なくとも1つのCy部分、例えば18個の炭素原子を含むn‐アルキル部分、を含む2つの式(2)の末端ユニットを含むことができる。]
[0136] これらの好ましいECCポリマーは、例えば、予め形成しておいたPLGAに対して、(i)PLGAのカルボキシル末端基と、ステアリルアルコールもしくはベヘニルアルコールを例とするCy部分を含むアルコールとの反応により、または(ii)PLGAのカルボキシル末端基とソルビトールなどの糖を例とするポリヒドロキシ化合物との反応、およびこれに続くCy部分を含むカルボン酸(など)による1もしくは2つ以上の残存ヒドロキシ基のエステル化により、および/または(iii)PLGAのヒドロキシル末端基と、n‐アルキル部分が18〜22個の炭素原子を含むn‐アルキルカルボン酸(など)との反応により、末端封止を施すことによって作製することができる。]
[0137] これらの好ましいECCポリマーは、式(ECC1)および(ECC2)の部分から実質的に構成されていてよく、すなわち、ポリマーは、PGA(F1およびF2の各々が、各繰り返しユニットにて水素である)、PLGA(F1およびF2の各々が、いくつかの繰り返しユニットにて水素であり、その他の繰り返しユニットでは、F1およびF2の一方が水素でありF1およびF2の他方がメチルである)、またはPLA(各繰り返しユニットにて、F1およびF2の一方がメチルであり、F1およびF2の他方が水素である)から誘導される。別の選択肢として、ポリマーは、所望される場合はポリマーバックボーン中にさらなるカルボキシ結合を提供してもよい、異なる種類の繰り返しユニットを含んでもよく、例えば、カプロラクトンから誘導されるユニットである。以下の記述では、このような好ましいECCポリマーの所望される場合は有していてよい特徴を開示する。状況によってそれが不可能である場合以外は、記述した特徴の2もしくは3つ以上が同時に存在していてよい。
(A)ポリマーは、
(A1)8,000未満、もしくは7,000未満、もしくは5,000未満の分子量を有する;
(A2)Tp0.6未満を例とするTp0.7未満、または10℃未満である(Tp−To)の値を有する;
(A3)20%未満もしくは10%未満を例とする30%未満、および/または2%超もしくは4%超を例とする1%超のモルパーセントのCy部分含有ユニットを有する;
(A4)少なくとも10または少なくとも20J/gの融解熱を有する;
(A5)ポリマーのバックボーンを形成する繰り返しユニットの少なくとも70モル%もしくは少なくとも80モル%を例とする少なくとも50モルパーセントがCy部分を含まない;
(A6)末端ユニットが、以下の式(2A)〜(2C)、
(2A)−Cy
(2B)−CO−O−Cy
(2C)−Rpbalc−CO−Cy
の1もしくは2つ以上を有し、
ここで、Rpbalcは、ポリエチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、グリセリン、またはソルビトールを例とするポリオールの残基であり、所望される場合は1もしくは2つ以上のCy部分を含んでよく、末端およびその他のCy部分の導入は、存在する場合、Cy部分を含む酸または酸塩化物との反応を例とする、1もしくは2つ以上のヒドロキシル基のエステル化、エステル交換、またはアルキル化によって行われ;ならびに、例えば以下の式、
−CH2−CH(OH)−CH2−O−CO−Cy、または、
−CH2−CH(O−CO−Cy)−CH2−O−CO−Cy
を有する;
(A7)170個未満の以下の式、
−CF1F2−CO−O−
の繰り返しユニットを含む;
(A8)式(1)の繰り返しユニットが得られる1もしくは2つ以上のモノマー、すなわち、乳酸およびグリコール酸、ならびにこれらの環状二量体ラクチドおよびグリコリドの1もしくは2つ以上、ならびに、式(2)を有するかまたは式(2)の末端ユニットへ変換可能である末端ユニットが得られる1もしくは2つ以上のモノマーまたは成分の共重合を含むプロセスによって作製される。例えば、(i)Cy部分を含むアルコールを乳酸およびグリコール酸と反応させてよく、または(ii)グリセリン、1,3‐プロパンジオール、または1,6‐へキサンジオールを例とするポリオールをグリコール酸および乳酸と反応させ、ステアリン酸またはベヘン酸を例とする過剰のCy部分含有カルボン酸で末端封止されたPLGAグリセリドエステルを形成してもよい;
(A9)nが170未満の整数である以下の式、
HO−(−CF1F2−CO−O−)n−H
を有する予め形成されたポリマーの末端封止によって作製され;予め形成されたポリマーは、ラクチドおよびグリコリドの重合で作製される場合は、主として同一の繰り返しユニットの対から構成され、モノマー(乳酸およびグリコール酸)の重合で作製される場合は、ランダムに分布した繰り返しユニットを有し;例えば、
(A9a)予め形成されたPLA、PLGA、もしくはPGAポリマーの末端ヒドロキシル基を、Cy部分を含むカルボン酸もしくは酸塩化物を例とするモノマーもしくは成分と、または、さらに反応させることでCy部分を含有させることが可能である部分を含むモノマーもしくは成分と反応させる工程を含むプロセスによって作製される;または、
(A9b)ポリマーは、予め形成されたPLA、PLGA、もしくはPGAポリマーの末端カルボキシル基を、アルコールを例とするCy部分を含む成分と、または、エステル交換を例とするさらなる反応によってCy部分を含有させることが可能である部分を含む成分と反応させる工程を含むプロセスによって作製される。例えば、予め形成されたポリマーを、(i)Cy部分を含むアルコールと反応させるか、または(ii)グリセリン、1,3‐プロパンジオール、もしくはヘキサンジオールを例とするポリオールと反応させ、これに続いてポリオールの1もしくは2つ以上の残存ヒドロキシル基を、ステアリン酸もしくはベヘン酸を例とする過剰のCy部分含有カルボン酸と反応させてよい;または、
(A9c)予め形成されたPLA、PLGA、もしくはPGAポリマーの末端ヒドロキシル基を、無水コハク酸もしくはコハク酸を例とする(スクシニル化)ジカルボン酸もしくは無水物と反応させる工程を含むプロセスによって作製され;得られた生成物は、比較的高分子量を有する場合があり、その場合はゲルの形態を取る場合があるが、in‐situでの製剤の混合を促進し、および/またはあるpHにてタンパク質もしくはペプチド薬物の容易な混合を可能とし、別のpHで放出することができる;または、
(A9d)予め形成されたPLA、PLGA、もしくはPGAポリマーを無水メタクリル酸と反応させることによって得られ、この反応混合物を、Cy部分を含むエチレン性不飽和モノマーと共重合させる;または、
(A10)10〜40重量%を例とする少なくとも10重量%のCyユニットを含む。]
[0138] その他のECCポリマー
ポリオールを乳酸およびグリコール酸の存在下で反応させると、ポリオールの各ヒドロキシル基を末端OH基とするPLGA配列が形成される。これらの末端ヒドロキシル基は、ベヘン酸を例とする結晶性脂肪酸で末端封止することができる:]
[0139] ポリオールとPLGAモノマー(乳酸+グリコール酸)との反応によって形成されたポリマー、および結晶性脂肪酸による末端封止により、ヒドロキシルPLGAグリセラートの脂肪酸エステルが得られる。]
[0140] または、クエン酸のようなヒドロキシルポリカルボン酸を、唯一の残ったヒドロキシル基にて結晶性脂肪酸(ステアリン酸)でエステル化することによりクエン酸ステアレートが得られる。この中間体を、続いて乳酸およびグリコール酸と反応させて、結晶性脂肪アルコールで末端封止することができる酸末端トリ‐PLGAシトレートが得られる:]
[0141] d.末端封止結晶性グリセリンカーボネートECC‐PLGAポリエステル:
グリセリンカーボネートは、ステアリン酸を例とする結晶性脂肪酸と容易に混合して反応させ、二置換ヒドロキシメチルエチレングリコールエステルが得られる。この中間体を、次に乳酸およびグリコール酸と重合するか、または予め形成されたPLGAおよびより高分子量の分子とエステル化し、次に所望される場合は末端封止を行ってよい:]
[0142] 脂肪酸による末端封止の量は、最終生成物の所望される疎水性および結晶性の度合いに依存する。これは、ポリマーと混合される薬物、ポリマーの溶解度パラメータと比較した薬物の溶解度パラメータ、および所望される放出制御特性に依存する。一般に、結晶性が高い程、薬物の放出は長く生崩壊性は遅くなる。さらに、結晶性が高いと、結晶性脂肪酸による末端封止の量が非常に少ない場合と比較して、バースト効果が低くなる。]
[0143] e.ECC‐12‐ヒドロキシステアリン酸PLGAポリエステル:
ひまし油から容易に入手可能である12‐ヒドロキシステアリン酸を乳酸およびグリコール酸と重合し、脂肪酸で末端封止することにより、遅延放出制御薬物送達媒体(slow controlled release drug delivery vehicle)として低分子量分子の不溶性薬物と混合するための疎水性の中央部および2つの末端封止結晶性基を有するマルチブロックPLGAを得ることができる:]
[0144] f.結晶性脂肪エステルジメチロールプロピオン酸ポリエステル:
ジメチロールプロピオン酸(DMPA)を結晶性脂肪アルコールでエステル化し、得られた結晶性脂肪エステルポリオールを、(a)PLGA成分と反応させて結晶性脂肪酸で末端封止するか、または(b)アルキル官能性PLGAと反応させることにより、中央部と2つの末端部に結晶性疎水性ブロックを有し、−AnA−B−A−B−Aのブロックである新規な末端封止PLGAを得ることができ、ここで、A成分は疎水性であり、B成分は疎水性が低く、場合によっては親水性である:]
[0145] この種類のCYSCポリマーは、その構造および分子量により、種々のレベルの結晶性を有することができ、側鎖および末端のいずれをも封止することにより、容易な薬物の混合およびローディング、ならびに所望される持続放出特性が得られる。]
[0146] 同様に、予め形成されたポリオールを乳酸およびグリコール酸と反応させて、所望される場合はより結晶性の高い脂肪酸で末端封止してよい結晶性オキサゾリンPLGAポリエステルを得ることができる:]
[0147] C.側鎖結晶性ヒアルロン酸:
希釈ヒアルロン酸(HA)溶液は、薬物と混合され、微細に分散した懸濁液としてヒアルロン酸溶液中に懸濁されたCYSCポリマーを輸送することができる。HAを、HA上の1もしくは2つの遊離ヒドロキシル基の反応によってエステル化した場合、それにより、薬物送達キャリアとして機能することができる側鎖結晶性HAが形成され、CYSC基が、通常は水溶性の高いHA溶液からの薬物の溶解を制御する手段を提供する:]
[0148] CYC集合体
CYC集合体では、異なる分子における相補的なユニットの非共有結合性の集合(「自己集合」)によって結晶性が作り出されるかまたは高められる。類似の自己集合は自然にも発生し、例えば、ペプチドの構築およびDNAの複製である。自己集合は、相補的なユニットの非共有結合性および非イオン性相互作用のみの結果であり得る。しかし、イオン性結合が関与していてもよい。例えば、酸末端PLGAを結晶性二脂肪窒素アミン(crystalline difatty nitrogen amine)(NR2H、ここでRはCy部分を含む)と混合することで、DSCで確認されるように結晶性であるが共有結合は含んでいないイオン性塩を得ることができる。]
[0149] いずれのCYCキャリアも、そのCYCキャリア内の部分と「自己集合」する相補的な部分を含む別のCYCキャリア、または別のモノマーもしくはポリマーと自己集合を起こすことができる。それ自体はCYCキャリアではなく、相補的な部分を含む要素は、本明細書にて「自己集合添加剤(self−assembly additive)」と称する。いずれもそれ自体はCYCキャリアではない2もしくは3つ以上の自己集合添加剤が、CYC集合体を形成することができる。この自己集合により、より高いΔH(算出されたΔHと比較して)を有し、およびCYCキャリアまたは自己集合添加剤自体とは異なるTpを有していてよい生成物が得られる。自己集合によってより高いΔHが得られ、およびより高いTpが得られ得ることから、CYC集合体は、CYCキャリアと類似しているが、Tpが少なくとも0℃およびΔHが少なくとも3J/gであるという必要条件のいずれか一方または両方を満たさない成分を、このCYC集合体がこれらの成分を満たす限りにおいて、利用することができる。自己集合により、さらに、放出化合物が放出組成物から放出される速度が著しく異なるという結果も得ることができる。]
[0150] 自己集合添加剤の存在により、薬物またはその他の放出物質の放出の延長を補助することができる。多くの場合、自己集合添加剤は、放出組成物から緩やかに放出され、例えば身体によって代謝または排出される。1つの態様では、CYC集合体は、CYSCポリマー、CYSC化合物、およびECCポリマーの2もしくは3つ以上を含む。自己集合は、以下で述べるように、Cy部分間および/またはその他の相補的な部分を介するものであってよい。例えば、CYC集合体は、末端封止PLGAコポリマーおよびCYSCアクリレートポリマーを含んでよい。例えば、医薬製剤では、僅かに3%のCYSCアクリレートポリマーを末端封止結晶性PLGAと混合することにより、著しく異なる放出速度を得ることができる。]
[0151] 自己集合添加剤の相補的な部分は、CYCキャリアのCy部分と自己集合するCy部分であってよく、例えば、14〜50個、好ましくは18または22個を例とする16〜24個の炭素原子を含むn‐アルキル部分である。別の選択肢として、または追加的に、相補的な部分は、CYCキャリア内の類似の部分と自己集合するその他の部分であってもよく、例えば、ポリオキシエチレン、またはその他のポリオキシアルキレン部分であり、例えば、2〜40、2〜20、または2〜10個のオキシアルキレン部分を含む。自己集合添加剤は、OH、COOH、CONH2、およびCONR2を例とする官能基を含んでいてもよい。相補的部分は、および、存在する場合は官能基は、例えば、アルコール、エーテル、酸、またはエステルもしくはアミドを例とする酸の誘導体に存在していてよい。自己集合添加剤の例としては、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ステアラミド、およびN,N‐ジメチルステアラミドなどが挙げられる。自己集合体の例としては、ポリオキシエチレンステアリルアルコール(PEO6ステアリルアルコール)のようなジブロックタイプの構造、およびその他のブロックコポリマー類似体が挙げられる。例えば、CYC添加剤(CYCキャリアであってもよい)は、両親媒性モノマーから誘導されるユニットを含んでよく、およびペグ化もしくはエチレンオキシ含有側鎖(例:アルコキシ基がC1からC22であり、オキシエチレン基の数が2から24であるアルコキシポリオキシエチレンメタクリレート)を、オキシエチレンユニットの数が2から40、好ましくは2から20、およびより好ましくは2から10である結晶性アルキルポリオキシエチレンアルコールである自己集合添加剤と混合してよい。]
[0152] 以下の実施例で示されるように、自己集合は、単純な「混合則」で推定されるよりも高い程度でTpおよびΔHを増加させることができ、従って、共結晶化の発生が確認される。自己集合によって、より多くのCy部分を結晶性ドメインの一部とすることも可能である。以下の実施例は、さらに、自己集合添加剤の存在により、医薬製剤からの薬物の放出速度に影響を与えることができること、ならびに薬物およびCYSCポリマーのみから成る製剤よりも生分解性が高い製剤を得ることができることも示している。]
[0153] 例えば、ステアリン酸を例とする脂肪酸を、末端封止脂肪結晶性PLA、PGA、またはPLGAコポリマーと混合して、製剤中の放出物質を持続放出する効果的な能力を有する結晶性物質を得ることができる。例えば、結晶性脂肪エーテルアルコール(例:2モルのEO官能性を含むステアリルポリオキシエチレンアルコール)は、結晶性CYSCまたは末端封止結晶性生崩壊性ポリマーと混合することにより、結晶性が高められ非共有結合性CYCキャリアを形成することができる。]
[0154] CYCキャリアの作製
CYCキャリアは、いかなる方法で作製してもよく、例えば、当業者に公知である技術が用いられる。例えば、CYCポリマーは、従来の触媒を用いた乳化重合法、溶液重合法、塊重合法、および懸濁重合法によって作製することができる。従来の添加剤および触媒を用いて、所望される分子量を達成することができる。例えば、CYSCポリマーの作製において、アゾおよび過酸化物触媒、チオール連鎖移動剤(例:アルキルメルカプタン、ヒドロキシエチルメルカプタン、ブチルメルカプトプロピオネート、およびメルカプト酢酸)、またはアリル連鎖移動剤もしくは制御剤(regulators)を用いることができる。重合の種類は、多くの場合、投与されるCYC放出組成物の形態に応じて選択することができる。例えば、ミセルまたはエマルジョンの形態が所望される場合は、乳化重合を用いることができ、所望される場合は放出物質の存在下であってもよい。ヒドロゲルが好ましい場合は、水性または乳化条件下での重合を用いることができる。噴霧乾燥の形態が好ましい場合は、溶媒条件下での重合を用いることができる。]
[0155] CYSCグラフトコポリマーを作製する方法は、例えば、Y(Rc)部分を含み、所望される場合はZ(Rz)部分を含んでもよい予め形成されるポリマーを作製し、続いてこの予め形成されるポリマーの末端または中間の反応性部位にて適切なモノマー(Rcおよび/またはRz部分を含んでいてよい)をグラフトさせることを含む。CYSCブロックコポリマーを作製する方法は、2もしくは3つ以上の予め形成されるポリマーを作製し、次にこの予め形成されるポリマーを反応させて所望されるポリマーを形成することを含み、この予め形成されるポリマーの少なくとも1つがY(Rc)部分を含み、所望される場合はZ(Rz)部分を含んでいてよく、1もしくは複数のその他の予め形成されるポリマーの少なくとも1つがZ(Rz)部分を含み、予め形成されるポリマーの各々が、予め形成されるポリマーの末端、もしくは末端間に少なくとも1つの反応性部位を有する。]
[0156] 例えば、CYSCブロックポリマーは、ビニルタイプのマクロモノマーをその他のモノマーと共重合させることで、またはCYSCポリマーを作製し、次にこの官能化ポリマーを、ウレタンブロック、またはエポキシブロック、ポリエーテルブロック、ポリエステルブロック、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、もしくはポリテトラメチレンオキシドブロック、ポリシロキサンブロック、またはポリ(アルキルもしくはアルコキシ)シランブロックを例とする第二のブロック物質と反応させることによって作製することができる。]
[0157] 特定の除外および条件
本発明の特定の独立した態様は、CYCポリマーが以下の特徴の1もしくは2つ以上を有するCYSCポリマーである可能性を除外する。
(1)ポリマーがブロックコポリマーまたはグラフトコポリマーである;
(2)ポリマーがヒドロゲルである;
(3)ポリマーが加水分解に対して安定ではない;
(4)ポリマーがビニルアミドから誘導される部分を含む;
(5)ポリマーが架橋されている;
(6)ポリマーが熱可塑性エラストマーである;
(7)「b」部分が無水物である;
(8)ポリマーが15〜20モル%のメタクリル酸ユニットを含む;
(9)ポリマーが20〜40モル%のメタクリル酸ユニットを含む;
(10)ポリマーが15〜20モル%のアクリル酸ユニットまたはアルキルアクリル酸ユニットを含む;
(11)ポリマーが20〜40モル%のアクリル酸ユニットまたはアルキルアクリル酸ユニットを含む;
(12)ポリマーが18個の炭素原子を含む側鎖を有する;
(13)ポリマーが12〜18個の炭素原子を含む側鎖を有する;
(14)ポリマーが、Cy部分と、およびカルボキシルまたはカルボキシル塩部分を含む部分とも直接結合する炭素原子を有する;
(15)ポリマーが膜の形態である;
(16)ポリマーがランダムコポリマーである;
(17)ポリマーがエラストマーである;
(18)ポリマーが、無水物結合を介してポリマーバックボーンと結合するCYC部分を含む;
(19)ポリマーが、無水物結合を含むCYC部分を有する;
(20)ポリマーが、RaおよびRbがいかなる部分であってもよい構造Ra−CO−O−CO−Rbを有する;
(21)ポリマーの、Cy部分を含むユニットの含有量が40%を超えない;
(22)ポリマーが多塩基酸を含む;
(23)ポリマーのpKaが4を超えない;
(24)ポリマーが、薬物を含む内部封入部(interior enclosure)と薬物が投与される外部体積物(exterior volume)との間に配置されるゲート膜として用いられる;
(25)ポリマーが、架橋しているか、または、高融点ブロックを含むブロックコポリマーの一部とするか、または多孔性膜、中空繊維、もしくは織物メッシュ内に固定することを例とするそれ以外の方法で非流動性とされる;
(26)ポリマーが乳化重合で作製される;
(27)ポリマーが、ポリマーバックボーン内の繰り返しユニット間に、エーテルおよびエステル結合以外の生分解性結合を含まない、および/またはポリマーバックボーンとCyとの間にエステルおよびアミド結合以外の生分解性結合を含まない。]
[0158] 放出物質
薬物
本発明の使用を通して、広範囲にわたる種々の薬物を送達することができる。CYCキャリアは、1もしくは2つ以上の親水性または疎水性の薬物と会合することができ、例えば、低分子量分子、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、ポリヌクレオチド、ヌクレオシド、siRNA、免疫グロブリンまたはそのFcもしくはFab画分、環状化合物、アルカロイド、ベータ‐ラクタム、またはその他の抗生物質である。薬物は、神経伝達物質もしくはホルモンのアゴニストまたはアンタゴニスト、抗精神病薬(例えば、マレイン酸フルフェナジン、クロルプロマジン、クロルプロマジンヒベンゾエート(chlorpromazine hibenzoate)、スルピリド、カルピプラミン塩酸塩、マレイン酸カルピプラミン、クロカプラミン塩酸塩、モサプラミン塩酸塩、リスペリドン(または、ベンズイソオキサゾールおよび/もしくはピペリジンの官能基を含むいずれかの化合物)、クロザピン、オランザピン、およびセルチンドール、およびフルペンチキソール(flupenthixole)、およびペルフェナジン);またはSSRI、であってもよく;または、リンホカイン、モノカイン、ケモカイン、インターロイキンなどのサイトカイン、プロストグランジン(prostoglandins)などの細胞シグナル伝達分子、スタチン、Cox‐2阻害薬、SSRI、カルシウムチャネル遮断薬、向精神薬、ビスホスホネート、抗増殖性薬(anti−proliferative)、有糸分裂阻害薬、血管新生薬、血管新生抑制薬、ラパマイシンもしくは誘導体などの低分子量分子、抗痛治療薬(antipain medications)、抗炎症薬、ホルモン、抗骨粗鬆症薬、細胞傷害性薬物、化学療法薬、ならびに避妊薬を含んでもよい。]
[0159] 具体的な薬物および薬物のクラスとしては、以下のもの、ならびにその前駆体、および薬理学的に活性である誘導体、同類物、および代謝物が挙げられる:‐‐リスペリドン、オランザピン、アトルバスタチン、セレコキシブ、オメプラゾール、エソメプラゾール、クエチアピン、メトプロロール、ブデソニド、イブプロフェン、ウラシル(例:5‐フルオロウラシル)、ステロイドおよびステロイドのエステルもしくはその他のホルモン(例:エストロゲン、プロゲステロン、テストステロン、アンドロステロン、コレステロール、ノルエチニドロン(norethinidrone)、ジゴキシゲニン、コール酸、デオキシコール酸、およびケノデオキシコール酸)、ホウ素含有化合物(例:カルボラン)、化学療法ヌクレオチド(chemotherapeutic nucleotides)、薬物(例:抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬)、エンジイン(例:カリチアマイシン、エスペラミシン、ダイネミシン(dynemicin))、ネオカルチノスタチン発色団(neocarzinostatin chromophore)、ケダルシジン発色団(kedarcidin chromophore)、重金属複合体(例:シスプラチン、カルボプラチン)、ホルモンアンタゴニスト(例:タモキシフェン)、非特異的(非抗体)タンパク質(例:糖オリゴマー、インスリン)、ポリヌクレオトド(polynucleotodes)およびオリゴヌクレオチド(例:mRNA配列)、放射性核種、トキシン(例:リシンおよび転写に基づく医薬(transcription based pharmaceuticals))。特定の態様では、薬物は、ボツリヌストキシン(「ボトックス(botox)」)などの細菌トキシンであるかまたはこれを含んでいてよい。]
[0160] 以下の表は、本発明の医薬製剤に組み込んで送達することが可能である代表的ないくつかの薬物を示す。]
[0161] ]
[0162] 用いることができる薬物としては、腫瘍細胞の死滅に用いられる化学療法薬、例えば、(1)ブスルファン、シクロホスファミド、およびメルファランを例とする、癌細胞のDNAを破壊するアルキル化薬、(2)カルムスチンおよびロムスチンを例とする、DNA修復に必要である癌細胞の酵素を阻害するニトロソウレア、(3)5‐フルオロウラシル、メトトレキサート、およびフルダラビンを例とする、癌細胞のDNAおよびRNAの両方を阻害する抗代謝薬、(4)ブレオマイシン、ドキソルビシン、およびイダルビシンを例とする、癌細胞の細胞膜を変化させるのに加えて癌細胞のDNAを阻害する抗腫瘍抗生物質、(5)ドセタキセル、エトポシド、ビンクリスチン、およびビンブラスチン、およびビノレルビンを例とする、癌細胞でのタンパク質合成に必要である酵素を阻害する有糸分裂阻害薬、ならびに(6)インジウム‐111(111In)、イットリウム‐90(90Y)を例とする、放射線放射によって癌細胞を破壊する放射性同位体、が挙げられる。]
[0163] 持続放出の用途に用いることができる薬物としては、例えば、抗痛治療薬(anti−pain medications)(例:モルヒネ類似体)、抗精神病薬(例:リスペリドン)、抗炎症薬(例:ステロイド、またはブデソニドなどのNSAID)、ホルモン(例:テストステロンまたはプロゲステロン)、コレステロール低下薬(例:スタチン)、骨粗鬆症薬(ビホスホネート(biphosphonates))、抗血管新生薬(例:抗VEGF)、および避妊薬が挙げられる。用いることができる薬物には、本明細書に記載のいずれの薬物の誘導体(本明細書にて、これらに限定されないが、薬理学的に活性な代謝物、または類似体、アゴニスト、誘導体、変異体、同類物、または異性体のいずれをも含むと定義する)をも含まれる。]
[0164] リガンド標的化(Ligand−Targeted)ポリマー薬物送達
特定の態様では、CYCキャリアには、標的受容体分子と特異的に結合するリガンドが組み込まれる。標的受容体分子は、癌細胞などの特定の種類の標的細胞表面上に存在する。リガンドは、モノマーに共有結合している受容体を持つコモノマーの共重合によってポリマー製剤中へ組み込むことができる。別の選択肢として、リガンドは、共有結合が関与しておらず、リガンドとポリマーとの会合が、単なる物理的混合物として、またはイオン結合、水素結合、ファンデルワールス力、もしくは疎水性/親水性相互作用によって可能であるその他のいずれの手段によっても、本発明の医薬製剤中へ組み込むことができる。リガンドは、標的の細胞表面上で発現される分子と特異的に結合し、例えば、癌性細胞を例とする標的細胞上で差異的に過剰発現される受容体タンパク質である。]
[0165] 例えば、多くの種類の細胞が、その細胞表面上で数多くの葉酸受容体を発現し、それは非癌性細胞よりも多い。葉酸、または誘導体、または葉酸塩の一部(portions of folate)を、医薬製剤中へその作製中に物理的に混合してよく、または製剤の結晶化もしくは沈澱の後に形成された粒子に外部から添加してもよい。葉酸塩分子は、標的癌細胞上の葉酸受容体と特異的に結合する。カルボプラチン、またはシスプラチン、またはタキソールを例とする化学療法薬を、後に特定の細胞標的へ送達することができるように、CYCキャリアと混合するか、または水素結合もしくはその他の方法でこれと結合させることができる。従って、ある態様では、製剤は、SCCモノマー、ヒドロキシエチルメタクリレート、およびジメチルアミノエチルメタクリレートの混合物から誘導された僅かに塩基性/中性のCYSCポリマー、ならびに例えばメトトレキサートを例とする抗癌薬である薬物を含む。1つのそのような態様では、製剤の作製中に、葉酸を、CYSCポリマーおよび薬物と混合するか、または製剤の単離の後に製剤に添加し、それによって、薬物製剤粒子の表面上に葉酸が濃縮される。外部の熱刺激に曝露されると、カプセル化または結合されたメトトレキサートを例とする薬物は、CYCキャリアが結晶性構造からアモルファス構造へ変化する際に放出される。別の選択肢として、薬物の放出は、例えば、水和、膨潤、浸透圧による放出(osmotic expulsion)の1もしくは2つ以上により、およびポリマーの透過性を高めることにより、熱以外の手段で刺激することもできる。]
[0166] リガンド標的化ポリマー薬物送達系を用いて、公知の標的化癌治療薬を送達することができる。例えば、低分子量分子薬物を用いて、癌細胞の増殖に関与する特定の酵素および増殖因子受容体(GFR)を遮断することができる。このような薬物は、シグナル伝達阻害薬として作用する。本発明で用いることができるそのような薬物の1つは、消化管間葉性腫瘍および特定の種類の慢性骨髄性白血病を治療するためのGleevec(登録商標)(STI‐571またはメシル酸イマチニブ)である。用いることができる別の薬物は、進行非小細胞肺癌の治療に用いられるIressa(登録商標)(ZD1839)である。この薬物は、多くの種類の癌細胞によって過剰産生される上皮増殖因子受容体(EGFR)を標的とする。]
[0167] アポトーシス誘発薬を組み込むこともできる。そのような薬物の1つは、多発性骨髄腫の治療に用いられるVelcade(登録商標)である。Velcadeはプロテアソームを遮断し、それによって細胞の機能および成長の調節が補助される。その他のアポトーシス誘発薬としては、白血病、非ホジキンリンパ腫、および固形腫瘍の治療のためのGenasense(商標)が挙げられる。Genasenseは、腫瘍細胞の生存を促進するBCL‐2の産生を遮断する。]
权利要求:

請求項1
CYCキャリアおよび前記CYCキャリアと会合した薬物を含む医薬製剤であって、前記CYCキャリアは、ECCポリマーであって、(A)以下の式、−Yterm−b−Cy(2)を持つ末端ユニットを含むバックボーンを有する複数のポリマー分子であって、ここで、Ytermは、前記バックボーンの末端の部分であり、bは、結合もしくはCy部分をYtermへ連結する部分であり、およびCyは、その他のCy部分と会合して前記CYCポリマーに結晶性を付与する部分であり;前記末端ユニット中のCy部分は、前記ポリマー分子のCy部分の少なくとも50重量%を提供する、複数のポリマー分子を含み、ならびに、(B)前記Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度、Tp、が少なくとも0℃であり、融解熱、ΔH、が少なくとも3J/gであり、TpおよびΔHは、上述のように示差走査熱量計(DSC)にて測定される、ECCポリマーである、医薬製剤。
請求項2
前記の末端ユニットが、以下の式、−Qx(−b−Cy)q(Q2)を有する部分を含み、ここで、Qxは、少なくとも(q+1)の結合価を有する部分であり、qは、少なくとも2である、請求項1に記載の製剤。
請求項3
qが、3、4、5、または6である、請求項2に記載の製剤。
請求項4
前記のバックボーンが、生崩壊性であり、以下の式、−Dnd−Q−Ene−(Q1)を有する結合を含み、ここで、Qは、−O−、−NH−、または−S−であり、ndは、0または1であり、neは、0または1であり、Dは、−CO−であり、およびEは、−CO−または−CO−O−である、請求項1または2に記載の製剤。
請求項5
前記ECCポリマーが、(A)複数のポリマー分子を含み、その各々は、(i)以下の式、−CF1F2−CO−O−(1)を有する複数の繰り返しユニットを含むポリマーバックボーンであって、ここで、F1は水素であり、F2は水素またはメチルであり、前記繰り返しユニットは同一または異なっている、ポリマーバックボーン、および、(ii)以下の式、−b−Cy(2)を有する少なくとも1つの末端ユニットであって、ここで、Cyは、18〜24個の炭素原子を含むn‐アルキル部分であり、bは、結合、もしくは少なくとも2の結合価を有し、前記Cy部分を前記ポリマーバックボーンへ連結し、所望される場合は1もしくは2つ以上の追加のCy部分を含んでいてもよい部分である、少なくとも1つの末端ユニット、から実質的に構成され、(B)少なくとも40℃である結晶溶融温度Tp、(Tp−To)の値がTp0.7未満となる溶融温度の開始点To、および、少なくとも5J/gである融解熱を有し、Tp、To、およびΔHは、上述のように示差走査熱量計(DSC)にて測定され、(C)10,000未満である上述のように測定される数平均分子量Mnを有する、請求項1に記載の製剤。
請求項6
前記薬物がリスペリドンまたはジクロフェナクナトリウムである、請求項5に記載の製剤。
請求項7
少なくともいくつかのポリマー分子が、少なくとも3つのCy部分を含み、および前記ポリマーが少なくとも10J/gの融解熱を有する、請求項5に記載の製剤。
請求項8
前記Cy部分の少なくとも1つがポリオキシアルキレン部分を含む、請求項5に記載の製剤。
請求項9
前記薬物および前記ポリマーは、これらが上記の実施例で述べた手順によって薄く平らなディスク形状の放出サンプルに製剤されて、上記の実施例で述べた2つの放出試験の各々で試験される場合に、前記薬物が、前記2つの試験のうちの少なくとも1つにおいて、以下の段落(a)〜(c)の少なくとも1つ、(a)最初の20日間のうちの少なくとも10日間の期間にわたって実質的に一定の速度、および30%未満の全量、(b)最初の10日間にわたって30%未満の全量、ならびに、(c)最初の10日間にわたって実質的に一定の速度、および最初の20日間にわたって20%未満の全量、に従って放出されるものである、請求項5に記載の製剤。
請求項10
(i)前記製剤が、pH5.5に維持されるバッファー溶液に曝露される放出試験によって試験される場合、以下の段落(a)〜(c)、(a)最初の20日間のうちの少なくとも10日間の期間にわたって実質的に一定の速度、および30%未満の全量、(b)最初の10日間にわたって30%未満の全量、ならびに、(c)最初の10日間にわたって実質的に一定の速度、および最初の10日間にわたって20%未満の全量、の少なくとも1つに従って前記薬物を放出し;または、(ii)前記製剤が、pH7.4に維持されるバッファー溶液に曝露される放出試験によって試験される場合、(a)最初の20日間のうちの少なくとも10日間の期間にわたって実質的に一定の速度で、および最初の20日間にわたって30%未満の全量で、ならびに、(b)最初の20日間にわたって30%未満の全量で、前記薬物を放出する、請求項5に記載の製剤。
請求項11
前記ECCポリマーが、(A)複数のポリマー分子から実質的に構成され、その各々は、(i)以下の式、−CH2−CO−O−(1A)を有する複数の繰り返しユニット、および以下の式、−CH(CH3)−CO−O−(1B)を有する複数の繰り返しユニットから実質的に構成されるポリマーバックボーン、ならびに、(ii)以下の式、−b−Cy(2)を各々が有する複数の末端ユニットであって、ここで、Cyは、18〜24個の炭素原子を含むn‐アルキル部分であり、bは、結合、もしくは少なくとも2の結合価を有し、前記Cy部分を前記ポリマーバックボーンへ連結し、所望される場合は追加のCy部分を含んでいてもよい部分である、複数の末端ユニット、から実質的に構成され;(B)少なくとも40℃である結晶溶融温度Tp、(Tp−To)の値が10℃未満となる溶融温度の開始点To、および、少なくとも5J/gである融解熱を有し、Tp、To、および融解熱は、上述のように示差走査熱量計(DSC)にて測定され;(C)8,000未満である上述のように測定される数平均分子量Mnを有する、請求項5に記載の製剤。
請求項12
前記ポリマーが、以下の特徴、(i)5,000未満の分子量を有する、(ii)2〜30モルパーセントの末端ユニットを含む、(iii)10〜40重量%のCy部分を含む、(iv)少なくとも1つの末端ユニットが、(2A)−Cy(2B)−CO−O−Cy(2C)−Rpbalc−CO−Cyから成る群より選択される少なくとも1つの式を有し、ここで、Rpbalcは、ポリオールの残基である、(v)少なくとも1つの末端ユニットが、−CH2−CH(OH)−CH2−O−CO−Cy、および、−CH2−CH(O−CO−Cy)−CH2−O−CO−Cyから成る群より選択される少なくとも1つの式を有する、(vi)前記ポリマー分子の少なくともいくつかが、少なくとも3つのCy部分を含む、ならびに、(vii)前記式(1A)および(1B)の繰り返しユニットの数が170個未満である、のうちの少なくとも1つを有する、請求項11に記載の製剤。
請求項13
薬物を、請求項1から12のいずれか1項で定めるECCポリマーと混合することを含む、医薬製剤の作製方法。
請求項14
前記薬物が、損傷を受けずに曝露可能である最高温度を有し、および前記薬物が、前記ポリマーが液体であり、前記最高温度よりも低い温度にて前記ポリマーと混合される、請求項13に記載の方法。
請求項15
前記混合が、前記ポリマー以外のいかなる液体も存在しない状態にて行われる、請求項13または14に記載の方法。
請求項16
CYCキャリアおよび前記CYCキャリアと会合した放出物質(releasematerial)を含む放出組成物(releasecomposition)であって、前記CYCキャリアは、CYCポリマー、CYC化合物、およびCYC集合体、ならびにこれらの1もしくは2つ以上の混合物から成る群より選択され、CYCポリマーは、(A)バックボーンを有し、ならびに(i)式−b−Cyを有し、および(ii)(A)前記バックボーンの繰り返しユニットの一部分を形成して、前記繰り返しユニットが以下の式(1)を有し、ここで、Ychは、前記バックボーンの一部分を形成する部分であり、または、(B)前記バックボーンの末端ユニットの一部分を形成して、前記末端ユニットが以下の式(2)を有し、−Yterm−b−Cy(2)ここで、Ytermは、前記バックボーンの末端の部分であり、bおよびCyは、式(1)で定める通りである、少なくとも1つの部分を含む、ポリマー分子を含み;ならびに、(B)前記Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度Tpが少なくとも0℃であり、ΔHが少なくとも3J/gである、ポリマーとして定義され;CYC化合物は、(A)Q(−b−Cy)q(4)の式を有し、ここで、qは、少なくとも2、例えば、3〜8であり、Qは、少なくともqの結合価を有する部分であり、bは、結合または前記Cy部分を前記Q部分と連結する部分であり、および、Cyは、式(1)で定める通りであり、ならびに、(B)前記Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度Tpが少なくとも0℃であり、ΔHが少なくとも3J/gである、非ポリマー化合物として定義され;ならびに、CYC集合体は、(i)少なくとも0℃のTpおよび少なくとも4J/gのΔHを必ずしも有しないこと以外は上記で定める通りであるCYCポリマーであるポリマーと、(ii)Cy部分を含み、前記ポリマーと密接に混合されるが前記ポリマーと共有結合による連結はしない化合物、との集合体であり、前記集合体は、前記Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度Tpが少なくとも0℃であり、ΔHが少なくとも3J/gであるとして定義される、放出組成物。
請求項17
前記放出組成物および前記CYCキャリアが、単相、または均一な2相混合物を形成する、請求項16に記載の組成物。
請求項18
CYSCポリマーであるCYCポリマーを含み、CYSCポリマーが、少なくとも50重量%の前記Cy部分が式(1)の繰り返しユニット内に存在するCYCポリマーとして定義される、請求項16または17に記載の組成物。
請求項19
少なくとも90重量%の前記Cy部分が式(1)の繰り返しユニット内に存在する、請求項16から18のいずれか1項に記載の組成物。
請求項20
前記CYSCポリマーのバックボーンが、以下の式(3)、を有する繰り返しユニットを含み、ここで、Zは、前記バックボーンの一部分を形成する部分であり、Rzは、親水性部分を含み、Cy部分を含まない部分を表す、請求項18または19に記載の放出組成物。
請求項21
ECCポリマーであるCYCポリマーを含み、ECCポリマーが、少なくとも50重量%の前記Cy部分が式(2)の末端ユニット内に存在するCYCポリマーとして定義される、請求項16に記載の組成物。
請求項22
少なくとも90重量%の前記Cy部分が式(2)の末端ユニット内に存在する、請求項21に記載の組成物。
請求項23
SSPポリマーであるCYCポリマーを含み、SSPポリマーが、(1)少なくとも25℃、例えば27〜100℃である結晶溶融温度Tp、および、少なくとも5J/gであるΔHを有し;ならびに、(2)バックボーンを有するポリマー分子であって、(a)親水性部分を含まず、以下の式(1)を有し、ここで、Ychは、前記バックボーンの一部分を形成する部分であり、bは、結合もしくは前記Cy部分をYchと連結する部分であり、およびCyは、その他のCy部分と会合して前記SSPポリマーに結晶性を付与する部分である、繰り返しユニット;(b)以下の式(2zphil)を有し、ここで、Zは、前記バックボーンの一部分を形成する部分であり、およびRzphilは、親水性部分を含む、繰り返しユニット;を含み、式(2zphil)のユニットの式(1)のユニットに対するモル比が少なくとも2.5:1であるバックボーンを有するポリマー分子、を含むポリマーとして定義される、請求項16に記載の組成物。
請求項24
請求項1から23のいずれか1項に記載の放出組成物から放出物質を放出させる方法であって、前記組成物を、前記放出物質と前記CYCキャリアとの会合を変化させる条件に付すことを含む、方法。
請求項25
前記放出物質が、前記放出物質が送達される標的部位に対して改良、保存、識別、または損傷をもたらす、請求項24に記載の方法。
請求項26
請求項1から23のいずれか1項に記載の放出組成物を作製する方法であって、前記放出物質とECCキャリアとを混合することを含み、ここで、前記放出物質が、損傷を受けずに曝露可能である最高温度を有し、および前記薬物が、前記ポリマーが液体であり、前記最高温度よりも低い温度にて前記ポリマーと混合される、方法。
請求項27
前記混合が、前記ポリマー以外のいかなる液体も存在しない状態にて行われる、請求項26に記載の方法。
請求項28
請求項23で定めるSSPポリマー。
請求項29
本明細書で開示される新規なCYCキャリア。
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